My Mother said that I never should play with the gypsies in the wood, The wood was dark; the grass was green; In came Sally with a tambourine. I went to the sea-no ship to get across; I paid ten shillings for a blind white horse; I up on his back and was off in a crack, Sally tell my Mother I shall never come back. -Songs of Mother Goose-
2013年9月21日土曜日
現実とどうむきあったか②
私は窓の外を見た。
自分の頭で考えてみようと、集中しようと、必死で思ったのである。
医者が拒否するなら自分で考えるしかない。
なんとかしなければ母が死んでしまう。
病院の廊下、カーテン、待合室の窓から見る夜景、新宿。
夜景は夜景であるだけ、もちろんそこからなんの考えも生まれるはずはない。
恐怖のドン底に落ちて、いい考えなど何も浮かばない。
ところがである。
突然、思い出した。
私の家は隣家が医院なのであった!
先代からの耳鼻咽喉科医院。心臓とはまったく関係ないけど、とにかく病院。
そういえばそうだ!
ユウチャンが「先生」だった!
私といまの「先生」はおなじ私立の小学校に電車で通って、あっちが年下、
私はあの子を毎朝学校に連れて行ったのである。
ユウチャンだ!
なんで思いつかなかったんだろう!?
私は公衆電話から家に電話して隣家の番号を調べてもらい、ユウチャンを起こしてもらった。
深夜に図々しいのだが、まあいいか、だってよく知っている家だし、人なのである。
先生はユメのように親切で、即刻某病院に電話をし話を通してくれ、
魔法のように病院の門が開かれた。
・・・最初に頼んで空きがないと断った病院の門である。
かつて祖母がそこで亡くなり、母も3ヶ月入院していた近隣の病院である。
救急車が高速道路を走る。サイレンを派手に鳴らして。来た道をもう一回戻っていく。
けっきょくコネだと、小骨がノドにささって取れない感じがした。
自分はなんて軽率でくだらないんだろうと思う。
お隣さんが助けてくれてとても嬉しいけれど、社会にも自分にも釈然としない。
こんなことはおかしいと思わずにいられない。
なにをやるにしても、まずきちんと自分の頭で考える。
ドンくさくてダメな方法かもしれないが。そうするべきである。
そういう宿題を得た、ということだろうか。