My Mother said that I never should play with the gypsies in the wood, The wood was dark; the grass was green; In came Sally with a tambourine. I went to the sea-no ship to get across; I paid ten shillings for a blind white horse; I up on his back and was off in a crack, Sally tell my Mother I shall never come back. -Songs of Mother Goose-
2014年12月1日月曜日
あさのあつこ作「バッテリー」を読む
面白くてとちゅう下車できず、じゃんじゃん読んで、まる一日つぶしてしまった。
私が読んだのはハードカヴァーの1巻から5巻まで。小学6年から中学1年にかけての
物語だからか、活字が大きいし、挿絵だっていかにも清新で現代的、
読みやすいったらないうえに、
筆者の小説の王道を走るといわんばかりの真っ向勝負がすごい。
あさのさんの筆力はスーパーと言いたいぐらいのもので、
これが児童小説のジャンルで執筆されたこと、少年少女を読者に想定したことは、
いまどき(といっても10年前ぐらいの本)めずらしい仕事っぷりと思う。
子どもたちの今を生きる郷土の自然を堂々たる額ぶちにして・・・・、
川は滔々と流れ、山や峠は千変万化する空の下、冬雪をいただき春溶けて万物を際立て、
自然が、主人公たちにつきまとい、これでもかこれでもかと香りをはなって、
読者をおいかけてくるのだ。
野の畑の庭の花々と果実、獰猛な跳ねる川の魚、秋が冬に変われば葉を失いながら、
少年たちの烈しい心模様によりそう樹木。
それらの樹木を擁する少年たちの旧家のたたずまい。 彼らの家のハウスも畑も、
新しくできた町なかのファストフード店もすべてが色鮮やかだ。
小説の最後の最後まで、風景がざわめいて揺れる若々しい心を浮き彫りにする。
21世紀を迎えて、残ってほしかった私たちの国土。
変化しながら、苦しみながらそれでも捨てたくなかった私たちの父祖伝来のわが家。
しかも野球の話。野球部の話だ。現代の公立学校システムのなかでの!!
こんな小説を書く人は、そもそもの始めから原発稼働に絶対反対だろう。
少年たちを戦争へと駆り立てる憲法改悪にも反対だろう。