My Mother said that I never should play with the gypsies in the wood, The wood was dark; the grass was green; In came Sally with a tambourine. I went to the sea-no ship to get across; I paid ten shillings for a blind white horse; I up on his back and was off in a crack, Sally tell my Mother I shall never come back. -Songs of Mother Goose-
2020年5月20日水曜日
青春
むかしのノートを見つけた。
たぶん「チボー家の人々」からの抜粋。
マルタン・デュ・ガール 。
・・・・・
写真といっては一枚もない。昔の思い出は何もないのだ。
自由で一人ぼっちで思い出なんか、よせつけていない!
そして突然地平に向かってひらかれた一つの路、大きな抜け穴。
即ちできもしないような生活から足を抜き、これを投げ捨て、
行きあたりばったりに踏み出し、生きて行くこと!
なにからなにまでやり直す!
やり直すためには、なにからなにまで忘れてしまう、
そして人にも忘れさせる!
青春のただ中にいる時には、「チボー家の人々」というフランスの大河小説が
青春の書だといわれるわけが私にはよく判らなかった。
今ごろになって、不意に本当にそうだったと思いあたるなんて。
長男が本を読みたいけど見当がつかない、ぼくは遥とちがって10本の指だと
余りが出るぐらいしか本を読んでないから。
そう言って、なにから読み始めたらよいかと相談してくれたことがあった。
高校生だったろうか。パン職人になろうかと考え始めたころだ。
・・・「チボー家の人々」がいいんじゃないの、と考えて言ってみた。
読むのは大変だけどね、すごく長いよ。
買うのはもったいないからと、私の大学時代からの黄色い表紙の古本で、
読書を開始。 彼は2年ぐらいかけて、働きながら学校に行きながら、
主人公のジャックやアントワーヌといっしょに生きた。
うわさ話をするのがおかしかった。ジャックがとか、いまアントワーヌが、
とか話すのだ。ずーっと読んでいた。
ビックリだった。
そういう読み方をするヒトがいるのかと、物語を観ているみたいだった。
読み終わったとき、お祝いしてあげればよかったのに。
仕事、別居、離婚に病気、私の継母の介護。
おしまいまで読むなんてすごいと、ただもう喜んだことしかおぼえていない。