身体があんまり冷えてしまい、左眼が痛くなり、
なんだか死ぬんじゃないかというほど寒くなった。
ま、いいやと風邪薬を飲んで、夕方ちかくお風呂やさんに行くことにした。
熱をはかっても36度3分だから、なんともないはずなのだ。
あたためれば元気がでるかも、と思ったわけである。
このお風呂やさんは調布の深大寺のむこうにあって、
男湯のほうにはヤクザがいつも来ているという話。
いつか女湯にも、全身刺青のすらりとした美人がきていて、
サウナから出るとさーっと水風呂へ。
ミス・ユニバースみたいな美人だったけれど湯殿全体がシーンとなった。
今日はそんな目の覚めるような人はいない。
しかし男湯のほうからはなぜか派手なわめき声がきこえてきた。
むすこの話では、ここのサウナは入ると親分さんと手下の人でもう満員、
お待ちしていましたと話しかけてくれて(!)場所をあけてくれて(!)
丁寧なんだけどやっぱり落ち着けない、とか。そりゃそうよね。
からかわれているみたいですもんね。・・・やくざ版応対ユーモラス。
そうだとすると、今日のあのわめき声は、なんなのか。
ヤクザにしてはめずらしい型のヒトが来場しているのかしら?
帰りのクルマの中で聞いてみたらば、
「えっ、わめきごえって?」
今日はヤクザは来なかったというのが返事である。
それで湯船じゃ、3人ばかりの人が本を読んでいた、というのである。
「本、読んでたの! 3人も? 湯船で?!」
わっ、いいな。そんなのありなの? そんなことしていいの!
「いいんだろうね、3人もそういう人がいたからね」
ヤクザは留守。今日は誰もなんにもしゃべらなかった。
こういう日はラクでいいよね、というのがわかる感じでおかしい。
じゃ、あのわめき声はなんだったのと、私はきいたけど、
そんなことあったかな。なんにも聞こえなかったよ。
それが息子の返事だった。
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