My Mother said that I never should play with the gypsies in the wood, The wood was dark; the grass was green; In came Sally with a tambourine. I went to the sea-no ship to get across; I paid ten shillings for a blind white horse; I up on his back and was off in a crack, Sally tell my Mother I shall never come back. -Songs of Mother Goose-
2020年2月26日水曜日
日も暮れよ鐘はなれ
一日中曇っている。曇天だから空は灰黄色、ずっとそんな調子。
飛んでいく白い雲たちもいないし、メタセコイヤには葉っぱがないし。
朝は、出勤前みたいに小鳥が2,3羽、短く鳴いたけど、それっきり。
あんなふうに打ち合わせて、今はどこにいるのだろう、夕方になって。
買い物から戻ったら、藤棚の下の寒いベンチで 、外掃除のおじさんが
煙草を吸っている。「さむいわねえ」と挨拶すると「寒いねきょうは」
という。おじさんは高齢者事業団からきたひとで、鳥打帽子をかぶって
灰色の身なり、私はというとボタンの飛んじゃった黒いオーバーに大根に
菜の花に玉ねぎ。伊予かんがあるので重たくって。
行ったことないけど、巴里の空の下にはベンチがいろいろ置いてあって、
こんな燻ぶった色合いのお爺さんや、大戦後のオーバー姿のお婆さんが、
ぼんやり煙草でも吸ったりしているんじゃないかと思って。
やっぱりこんな氷雨の、凍りつきそうないかにも疲れた無窮の時、
セーヌ河はないけど、巴里じゃないから、でも日は暮れたわけだし。