My Mother said that I never should play with the gypsies in the wood, The wood was dark; the grass was green; In came Sally with a tambourine. I went to the sea-no ship to get across; I paid ten shillings for a blind white horse; I up on his back and was off in a crack, Sally tell my Mother I shall never come back. -Songs of Mother Goose-
2014年11月27日木曜日
朗読の会
今日は、願いかなって、というような日だった。
朗読された題材がすばらしかったのである。
ジャンルがそれぞれ異なっていたのも、新鮮だし面白かった。
①「今月の掘り出し本」
以前からぜひ読むようにと言われていながらご縁ができなかった内田樹の本の
紹介である。永江朗によりピシッと書かれた短文は、活きがよくて実に朗読向き。
②夢かと思うほど美しい物語は三好達治の「夜」。
朗読しがいのある傑作。ごちゃごちゃ言わず、ここに載せてしまおう。
「夜」
柝(たく)の音は街の胸壁に沿って夜どおし規則ただしく響いてゐた。それは幾回となく人人の
睡眠の周囲を廻(め)ぐり、遠い地平に夜明けを呼びながら、ますます冴えて鳴り、様々の方向
に谺(こだま)をかへしていた。
その夜、年若い邏卒(邏卒)は草の間に落ちて眠っている一つの青い星を拾った。それはひい
やりと手のひらに滲み、あたりを蛍光に染めて闇の中に彼の姿を浮かばせた。怪しんで彼が空
を仰いだとき、とある星座の鍵がひとところ青い蕾(ぼたん)を喪ってほのかに白く霞んでいた。
そこで彼はいそいで眠ってゐる星を深い麻酔から呼びさまし、蛍を放すときのやうな軽い指さき
の血からでそれを空へと還してやった。橋は眩い(まばゆい)光を放ち、初めは大きく揺れなが
ら、やがては一直線に、束の間の夢のやうにもとの座の帰ってしまった。
やがて百年が経ち、まもなく千年が経つだらう。そしてこの、この上もない正しい行ひのあとに、
しかし二度とは地上に下りてはこないだらうあの星へまで、彼は、悔恨にも似た一条の水脈(み
お)のやうなものを、あとかたもない虚空(虚空)の中に永く見まもってゐた。
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③ 里親の会の当番で話すことになってと、朗読をする当人が作文したもの。
作文のコツについて話し合えることって、私はとても嬉しい。
きちんと書くことを会得すれば、その後は、自分の考えを朗読するのだから
いかにもの個性がみんなの眼のまえに出現する。たとえ自分の書いたものでも、
ことばをいい加減にひとり歩きさせない努力は基本的必要事項だ。
リアリティの裏打ちのない朗読は、結局つくりものめいて、つまらないからである。