2018年1月16日火曜日

衝動買い


外套と藍色木綿のワンピースの間に
襤褸をかくせそうな大きい胴衣のようなものがあって、
売れなくてインド製だから少し壊れて、という。
高価なものが三分の一の値段なので着てみたら、ボタンがバラッと取れた、
「すみません、ほかのボタンにも後日おなじようなことが起こります、
ボタンが黑い糸で巻いてあるだけなので、」
そういう予言?とともに店主がまたも千円値下げ。
ついつい、買ってしまう。
この町にむかし住んでいて、ー私は30年以上前からのお客さんで、
いい買い物客ではなく、年月ばかりが過ぎた客なのー
それでたいていはよそ行きのためにふらっと藍色の服を買うわけで。
食器とか布類とか便箋もここでさがす、なんだか安心。

いつの頃からかそうなって、店主も自分も年とって。
ささやかで目立たない贅沢。