My Mother said that I never should play with the gypsies in the wood, The wood was dark; the grass was green; In came Sally with a tambourine. I went to the sea-no ship to get across; I paid ten shillings for a blind white horse; I up on his back and was off in a crack, Sally tell my Mother I shall never come back. -Songs of Mother Goose-
2020年1月24日金曜日
「鰻重」
今日は、私の友だちがふたり、家に来てくれた。
「鰻重」がお土産だった。
お蕎麦やさんかお寿司やさんから買って届けられる「鰻重」なんて、
うれしいことに、私にとっては小説みたいな何かである。
六十年のむかし、子ども時代の私の家にも、そんな特別な日はあったし、
親に連れられて訪ねた親戚の家でも、そういう特別なご接待があった。
「鰻重」とは、カッコに入れて語らずににはいられない懐かしいなにかだ。
私たちはおかしなことにみんな病人で、元気は元気なんだけど、
話題といえば病気の説明と、それにどう対処するか、したか、
いまどれぐらいよくなったか、いいさクヨクヨするもんか、という、
ははは、そういう話題を仲立ちに、
体力のモトだからと、懐かしくも「鰻重」という薬膳お昼?になったのである。
二人が帰ってしまったあとで、
私は自分の胸の奥の底のここに、「戦いつつ家郷に帰れ」という言葉が、
いまも在ると思って、うれしかった。
今日、こられなかった友人がいて、日をあらためてまたというのも、
熾火のように、どこか可憐な懐かしさだった。