2016年7月11日月曜日

沈思黙考ー家族


長男と久しぶりに食事をしたとき、誕生日のお祝いだと言って、
DVDと本を手渡してくれた。
ぼくが一番すきな映画。そして僕が(おそらく)一番気に入っている著者の本。
ふたつとも、そうなんだろうなーと思う。
映画は「マイ ライフ アズ  ア ドッグ」
本のほうは著者がプレイディみかこ、「ヨーロッパコーリング」という本。

年齢というものは、ものがなしい。
「ヨーロッパコーリング」は難しくてすらすらとは読めないし、
映画は自分が落ち着かない、主人公がぼくの人生は犬みたいと言うのだから。
息子がそんなことを思っていたらどうしよう。
とはいえエスニック料理はおいしく、彼と話せてとっても安心。私には嬉しい夜だった。

それから、選挙があった。
夜中にオランダの遥にメールをする。なにしろ時差があるからこちらは午前4時少し前。
自分から始めたくせに、私は早々に娘に「もう寝ないと」と送信してしまう。
あと1時間半でまた一日が始まるから。
素直に「うん、お休み」と返事がかえってくるのがなんだかさびしくて。

あなたのお誕生日にアンネ・フランクの同級生が書いた本を送るけど。
「アンネ、わたしたちは老人になるまで生き延びられた。」 という長いタイトルの本よ。
戦前と今を比べると日本人のメンタリティは違ってきてるんじゃないか。
インターネットはあるし、そこに希望があると思いたいとあなたは言った。
そうかなあ・・・私はどうもなんだか様子がちがうのかもと。
読んでみてね。ヘンな具合の、老人ならではのゆっくりした本よ。

その少し前、私はギターを抱えて新宿へバスと電車を乗り継いで行った。。
次男がディスクユニオンのスタジオでライブ。
今日がㇾコ発だというバンドと一緒の、すばらしく愉しい夜だった。

しかしいくらなんでもお客さんが極端に少ない。
それにどれほど音楽が明るくじゃんじゃか鳴り響いても、
次男の友人たちが、もう疲れ果てて終始一貫ニコリともしないのだ。
・・・こんなに疲れて、それでも仕事の帰りに来てくれたなんて、本当にありがとう。
次男と対バンの4人は、なぜかまるで人よせができなかったらしい。
始まる前から気をもんで 、演奏中は舞台から、もう私ばかりを見ていたという。
ははは。無理もない。いかにも楽しそうに、もう最大限にこにこしていたのは、
観客では私だけ なんだから。

あの人は誰なんだときくから、母親だと答えたら「母親!」と4人はビックリ。
ぼくが会社の帰りで間に合わないからギターを運んでくれたと説明すると、
「ひどいことさせる」と彼らはまたもビックリ。

そうよアンタってひどい奴なのよ。わかってんのか。
そう言ってやってよかった。私としてはスッキリ溜飲が下がったわけである。