2016年7月13日水曜日

スズメくん


カレンダーを見ると燃やせないゴミの日。

ゴミ袋を提げて、ゆっくりゴミ集積場にいくと、
徹夜をして夜明けなので、金網の中にはまだ袋がひとつだけ。
めったにないことに、四角いゴミ箱の中でチラチラ動くものがある。
ちゃんと見ると、まあめずらしい、小さいスズメが中にいた!
入ったはいいけれど出られなくなったのだろう。
団地のゴミ箱は、ちょうど大きな鳥カゴのような具合だ。
カラスやネコの爪を避けて、金網を目の細かいアミでまた補強してある。

スズメの羽音は小さいが、あっちにゆきこっちにゆき、たいへんで、
「ほらほら、どうしたのいったい?」
フタをそっとあけてやると、もちろんすぐ出て、
ワサワサシューッとはすかいに飛んで行ってしまった。
東の方に行ったけど。

そこには今でも、だれかが待っていてくれるのか。
真剣な、こわばった目をしていて、
こわかったんだろうと、それだけがくっきりと目に残った。