2019年5月17日金曜日

原っぱにトロッコが


誰にも、くらしの場面が、代わる時があるのかもしれない。

春の一日、
考えていると、あたまの中の遠いところに、
小さなトロッコがたった壱両とまって、
それが私である。
丈夫なつくりではあっても、そのトロッコは、
大草原の中央に、なぜか停車し、
地平線までつづく草花を、
陽にてらされ、風に吹かれて、
もうなんの考えもなく、
のっぽだったり、小さすぎたりする見知らぬ友を、
種々雑多な草原の花々を、いつまでもいつまでも眺める。

おひさまは、草原を照らし、私には広大な時間がある。
陽にさらされ、風に吹かれて、トロッコには奇妙にも考える時間がある。
そんな時が、きたのだ。
ゆっくり考える時がきたのだ。

奇妙な交差点は、たしかに存在して、
その日から、考えるスピードが、本当にゆっくりな私だ。