2013年7月23日火曜日

手工業的くらし


4月にライブを開いた。
朗読と弾き語り(歌)と英語の朗読という組み合わせなので、
頼むのも、人に集まってもらうのも、準備もたいへんだった。

6月の末には朗読の発表会を開いた。
一ヶ月に一回の練習を、朗読者の都合にあわせて「何回でも」にした。
その合間をぬって原稿を書く。

これがパンク・バンドのCDの解説という難題。
「書けっこないだろう幾らなんでも」
というのが大方の予想だったから、それが出来たらオリンピックみたいな感じよねと
引き受けてしまった。
さてそれで。
CDを受け取り、歌詞カードを受け取って、CDプレーヤーを前に腰掛けたけど、
どんなにガチャガチャやっても音がどうしても鳴らない。
CDのスウィッチってどれなの?と電話で息子にきいたら、
「うちの母さん、CDがかけられないって言ってるぜ、おいおい」
電話のむこうで長男があきれ声だ。
忙しいのに悪いと思うけれど無理にも教わる。
これから解説を書こうというのに曲がきけないなんて私だってこまる。
説明がやっとわかった。
「最初の曲がかかったわよ、助かった」
私はありがとうと電話をきる。
CDは調子よく①を何回も繰り返している。
ふーん、おなじ曲を2回やるの、3回やるのと、それが演出なのかと聴いてると、
これはやっぱりおかしい、こんなはずはないと7回目ぐらいには私も思うわけである。

こわごわ、あっちを押しこっちを眺め、やっとわかったことがあった。
このプレーヤーには、無限におなじ箇所を再現するボタンがあり、
その隣りには、一曲終わると次の曲にスッと進んでくれるボタンもある。
そういうわけかベンリなものだ、とナットクしたけど、疲れた。
私って時代おくれ。
でもそれからの私はすごく順調。
もうずーっと、54曲分?CDをつけたり消したりつけたり消したりし続けて、
ハード・ロックもといパンク・ロックの解説?を書いたわけである、とにかく最後まで。
私は全曲ぜんぶ解説してしまい、その結果そんなことした人なんかいないとと言われ、
だれかほかの人の解説を読んでみたことはないのかと聞かれ、
しょうがない全部のっけようかしらとも言われたけれど、
書き直した。
いくぶんか短く。

こんな私にヒトは何故解説させようとしたのか。
それはまたべつの話である。