2013年11月26日火曜日

マラジェーツ山本太郎


朝刊に、スパイ防止法に当時反対(元)自民2氏という見出し。

白川勝彦氏は、もと国家公安委員長。
杉浦正健さんは、副法務大臣で官房長官だった。
ふたりとも弁護士。いわずと知れた自民党。
国家機密保護法案に関するふたりの意見を、朝刊の見出しで拾うとこうだ。
国民の「暴く権利」守れ が白川氏。 
秘密41万件 多すぎる が杉浦氏。

私は、法律や政治むきの記事が苦手で、どうしようもない。
それじゃこまると思うので、集会があれば出かけようと心がける。
自分の意見は?と思うからだ。

むかし、国家公安委員長だった人まで、
「最大の問題は、秘密に近づき暴こうとする国民が罰せられる規定だ。」
「最も罰せられやすくなるのは国会議員だと思う」
「議員に反対の声が増えないのが不思議だ。学者やジャーナリストはもちろん、
官僚だって処罰される可能性が高まる。」
と言うほどコワイ秘密保護というもの。

じぶんは特定秘密保護法をどう考えるのか、
その根拠をさがし、じぶんなりの筋道で考えてみたい。
筋道だとか、感想だとか。引っかかりができれば、新聞も本も読みやすくなるというものだ。
理解する私なりの手順である。

さて、木曜日の夜だが、
檀上に思いがけなくも?山本太郎が飛び出してきた。
いろいろ言われている青年である。
天皇に手紙を渡したあと、
ナイフが届き、銃弾が届いたとなにかの見出しで読んだ。
手紙を受け取ったお方は、しかし彼に同情的好意的であられたとか。
うれしいことである。
もともと手紙を渡したって危険じゃない人しか、宮内庁だって選んでないでしょ?

顔の右側にペタンと大きな丸い禿げが白く見えた。
整った顔立ちなのに、むかし見た喜劇の丁稚どんみたい、と思う。
彼を迎える会場の雰囲気は複雑。
疑り深い、興味深い、共感、反感、とまあぐちゃぐちゃ。
「みなさん、元気ですかーっ?」
山本太郎が叫ぶと、人々の気持ちは曖昧模糊に迷って波のように揺れるのである。
民主党は彼をどう迎えるのだろうか?
共産党は? 社民党は? どう考えるのだろう?!
今日は日本弁護士会の後援、各党反対国会議員が檀上であいさつ。
弁護士、法律学者、平和団体の代表、文化人の落合さん、
山本太郎は一人党よね、参議院議員だから演説するのか・・・。
そんな感じ。

彼は反・原発、反・国家機密保護法案。
非常にハッキリしたその姿勢が大勢の人に支持されて国会議員になった。
でもそれがマユツバだったら? 売名行為だったら?
そういうさざ波。どことなくなんとなく。
それがパラパラと好意に変わっていくのを私はながめた。
「・・・とにかく元気だよな?」
筋金入り左翼ふうのおじさんが、ふふふっと笑ったりして。

あることないことヤリ玉に挙げられ、売名行為だといわれ、それがホントかどうか判らない青年。

売名で天皇に「お手紙」を渡せるものだろうか?
たとえそうしたいと思ったって、実行なんかできないだろうなー。
だからやっぱり、個人としての山本太郎については、
ロシア語でいう「マラジェーツ!」(いいぞ若いのっ)と、なんかそんな感じなんでしょうね。
どことなくみんなね。

その太郎さんが言うことには、
「みなさん、国会の中だけで頑張る、もはやそういう段階じゃないんですよ。
みなさんの、外からの力強い応援がなければ、これは確実に負けます。
自民党にも国家機密保護なんて間違ってる、という人はいます。
その人たちに、反対しなけりゃ票はいれないぞっ(拍手)と言うんじゃなくて(笑い)、
頑張って反対してください、そうしたら票をいれますからと、
そういう応援をしてもらわないといけない、と僕は思うんです。
自民党に投票した人には、そういうことが責任としてあると思うんですよ。」

そうかもしれないなーと思ったりするわけである。

登壇した学習院大学の法律学者が、
「2013年の11月、12月は、日本の重大な歴史上のターニング・ポイントです。
あの時、じぶんはどこでなにをしていたか。
私たち一人ひとりの日本人があとになって問われる点だと思います。」
地味でキリッとしてクールな印象の学者らしい人だったが、
会場をぎっしり埋めた人たちが、彼女の法律上の説明を聞くシーンと落ち着いた様子もまた、
かっこよくて?感銘を受けた。クール!なのであった。