2013年12月4日水曜日

石破幹事長のブログ発言


11月29日付の石破茂氏のブログ発言を読んだ。

 今も議員会館の外では「特定機密保護法案絶対阻止!」を叫ぶ大音量が
鳴り響いています。いかなる勢力なのか知る由もありませんが、左右どのような
主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静想を妨げるような行為は
決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう。
 主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を
広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない
ように思われます。

国会をとりまく人々の前に挨拶に出てきた小沢一郎氏を見たことがあった。
原発再稼働反対を叫ぶ全国規模のデモンストレーションの日だった。
小沢さんが姿を見せたことをデモの人々は喜ぶ様子だった。

いろいろな党のいろいろな議員が、国会の分厚いコンクリートの中から群衆の前に現われる。
それは自分の主義主張を人前にさらすことだ。
反論を恐れず、多少とも、自分の目で見て耳で聴こうという態度だ。
家来を使わず、自分の体を張って考えてもみる、という姿である。
そして、それはやっぱり国会の内側と外側を結ぶ行為なのだ。
主義主張のロボットではない人間がそこにいると、みんなは安心する
 
 
 
大音量が人々の静想を妨げるって。
国会周辺に、2011年からどうしようもなく続く「大音量」があれば、
その理由を真正面に受け止めて、とにかく議論検討するべきなのである。
だって国会は、国民に信任された議員の「仕事場」なのだ。

大音量は、くりかえし、
原発稼働に反対し、汚職に反対し、戦争に反対し、権力の秘密主義に反対している。
汚職に賛成、戦争賛成、原子炉商売繁栄希望、情報不自由化希望であるなら、
出てきてそう群衆を説得すればよい。
議員となったからにはそれも仕事のうち、静想が仕事ではないのである。
国会議事堂駅前は、軽井沢や箱根の別荘地とはちがう、民家周辺でもない。
仕事場なのだ。沸騰する民主的議論の場なのである。
それなのに国会のまわりは、
雨の日、風の日、制服私服の警官だらけ、装甲車だらけじゃないの。
 
 

国会周辺の公孫樹(いちょう)の木は、トシの割に貧相不揃い、気の毒な有様である。
9・11アメリカの頃か、枝を取り払い、警備の警官ばかりがやたら目立つ時期があった。
あのころは見るも無残だった。
テロリストを警戒してのことかと図書館に行く途中、げっそりしちゃったのを覚えている。
なんて自信に欠ける佇まいだろうか。
公孫樹は百年もたてば堂々たる景観をつくる美しい木である。

背中のイチョウが泣いている

1970年のころの東大の戯れ歌は、東大のイチョウ並木の見事さが下敷き、
造園設計師たちのたゆまぬ仕事の成果が威風堂々のイメージとして
組み込まれていたわけだが、
イチョウは今度こそ、背中で大っぴらにめそめそするにちがいない。
わが国のほかならぬ国会を飾る街路樹だというのに、
大きかったり小さかったり、スカスカで、日本文化の影もない。
情けないなーと思えてならない。