2012年10月15日月曜日

 GREEN BREWFEST!西荻10/ 13


小さいライブハウスで、GREEEEEEN BREWFEST!(ビールの名まえらしい)、
タイタイ主催のライブがあった。まあビールをぶっかけられる破目になった人もいて、
大暴れ。私など紙コップを取り落としウィスキーサワーを床にまいてしまった。
今夜は外人がいっぱい。樽みたいな体型の人が多いから空間がせばまって、
めずらしいしおもしろい。本場パンクスを見ているような気分になった。
この日のスペシャルゲスト英国「THE VOX DOLOMITES」関連の人たち。
ちなみに、DOLOMITEとは白雲石のこと、苦灰石ともいって、
カルシウムとマグネシウムの炭酸塩鉱物なんだとか。
なんかそういうVOX、つまり民の声というか世論。
ブクブクあわ立つ民の声。
彼ら5人はこれから約一週間、演奏しながら東海地方を旅するのだとか。

FOUR TOMORROW/A PAGE OF PUNK/DIEGO/PEIPEI
/MAKES NO SENSE

ア・ページ・オブ・パンクが一曲演奏したところで、ツトムがいつものごとくふざけて、
「いいかおまえら、いまのはオレらのパワーの20%ぐらいだから。
これが100%全開したらいったいどーなると、思う?」
私は笑ったが、反感をもった人もいた。
その人は心底ムカついたらしく、
・・・・ふざけんな。カネをとってれば一応プロなんだろう、まじめにやれ。なめるな。
プロなら本気だしてやるのが当たり前だろうが。
オレはこれからやる「ドルメッツ」をききにわざわざヨコハマからきたんだよ。
おまえらなんか聴く気はねえんだ、はやく済ませろ・・・・
(ちょっとちがうだろうけど、まあ、こんなふうな内容)
ツトムはというと、顔がすこし赤くなり、あっ、えーと、そうか、
「じゃあ僕たちは一曲ぐらいやって引っ込みますか?」
彼はけっこう長いこと、長すぎるぐらい舞台からそのヨコハマさんに応えて、
・・・・おれ等はふざけているんじゃないよ、ア・ページはずっとマジメにやってる,
NO・WAR(反戦)なんだ・・・たぶん、あなたは僕たちのことがキライなんだろうけど、
僕はあなたを好きだし、思ってることを言ってもらえてうれしいし・・・。
(もっと言ったけど、まあこんなふう)

この日、FOUR TOMORROW が演奏した。
それがとてもよかったんだけど、急におかしなことを思い出しちゃった。
連想である。

かつてFOUR TOMORROW のリーダーをツトムは短くこう唄った。
YAMAOKA  MotherFUCKER
YAMAOKA  MotherFUCKER×3
You have Nosense
何年も前のA PAGE OF PUNK である。
共同作業の小冊子がのこっているから、このへんは共同作業だったんだろう。
そこにはみょうに気のないヤマオカくんの文章も載っている。

CD録音のときヤマオカくんはツトムを手伝い、人がたりないからコーラスもやり、
しょうがない自分をくさす唄もつきあって歌い、
いっときア・ページのライブにヤマオカくんが来るとツトムはこれを演奏、
ヤマオカくんは、なんでオレがこんなもんを一緒になって・・・
とこぼしながら歌いもして、
そこに居合わせたみんなをすごくおかしがらせたんだと聞いた。
ああ惜しい、それが見られなかったなんて!

ちがうことも思い出した。
そのもっとむかし私が主催した平和集会で、お客さんは150人ぐらいか。
若い人間に助けてほしくて、むりやりツトムに司会をたのんだ。
ツトムはオンボロなスタイルでやってきて、パンクふうなタメ口で司会をはじめ、
中年と老年の多い会場をげんなりさせ凍りつかせた。
ふつうの進行になれた左翼ふうの会場にカッチーンと反感がみなぎって、
ツトムがある有力婦人の長弁舌を、
「過去の話はしない約束だから終わりにして下さい、ルールがちがう」
とさえぎると、無礼な口をきくなと会場騒然、
「司会には向かないんじゃありません? 交代なさったらいかがですか!」
活動家らしい有識者がテイネイ口調で怒りの提案。
もう前代未聞のサムイ展開になったのである。

僕はそれでもいいですよ、司会を交代しますか。みなさんはどうしたいですか。

けっきょくのところ、その時もツトムは司会を交代せず、最後まで持ちこたえた。
私が手に汗をにぎったのは当然であって、その時の彼は今よりもっと、
欠点と長所がいりまじったヘンテコな奴だったのだ。
ツトムの反省とバァァァァァァァァァカッ!!という私世代の人間どもに対する揶揄嘲笑を、
ごもっともと聴いたんだけれども、あとの電話で。
ライブがイチャモンでおかしなことになっても、多少のスリルを感じても、
なんかこう安心なのは、私の場合だと、
こんな滑稽ともいうべき佳作な?思い出の集積があるからなのだろう。