My Mother said that I never should play with the gypsies in the wood, The wood was dark; the grass was green; In came Sally with a tambourine. I went to the sea-no ship to get across; I paid ten shillings for a blind white horse; I up on his back and was off in a crack, Sally tell my Mother I shall never come back. -Songs of Mother Goose-
2012年10月2日火曜日
ジャズフェスティバル・鶴牧東公園
NEW GLORIA SWING ORCHESTRA の演奏はそれはステキでした。
ジャズって人のくらしの、どんな風景もすくいあげて、それをあたたかく懐かしく、
すべてを肯定して奏でてくれるものなのだなと思いました。
ね、故郷を離れることも、こどもが生まれたことも、飛行機に乗ったことも、
向日葵畑を見たことも、私をはなれてくれない悲哀感すら、
それも幸せ、あっていいことだという感じ。
47年目を迎える社会人のジャズバンドだそうです。
公園の芝生にすわってききましたが、秋になったなあ、と思って。
スズムシやマツムシがトランペットといっしょにずーっと鳴いているし、
月が黒々とした大木の上で淡く光っています。いったい財政は大丈夫なんでしょうか、
スピーカーで拡大される音がとても美しいのですね。
演奏はもちろんのこと、
機材もすばらしくよいものでしょうが、いったいどこの、だれの、なのでしょう。
市の持ち物だとよいのですが。
入場料はカンパでまかなっているのだし、
何十人ものジャズプレーヤーの出演料は?
鶴牧東公園はうちのとなりの、そんなに大きくはない公園です。
Basie Straight Ahead
Put It Right here
Ⅰ Can’t Stop Loving You
Sophisticated Lady
Caravan
When I Falin Love
Backrow Politics
この人たちが演奏した曲です。スタンダードナンバーばかり。
私なんかにはぴったり。たのしくて。
backrow politics ? 政治の逆流かしら。政治に逆らうと訳すのかしら。
47年目をむかえるJazzバンドですから、お年を召したプレイヤーがいるはず。
さがしたら、ベースにギターとドラムの人がそうでした。
それで、この創始者たち?のセンス、考え方、プレーヤーもみんなそうですが、
自然でヒトの音のじゃまをしない、このオーケストラの思うところがわかるような。
When Ⅰ fallen love ぼくが恋におちたとき。
これなんか若いトランペットプレイヤーのソロが素敵だと思いましたが、
彼、なんでも俵屋さんみたいな苗字の人、がヒナ壇から舞台前方へと歩きはじめると、
他のトランペット奏者たちがなにかこう微笑む、おかしがるふうなのです。
だってそうでしょう、彼の When I Fallen Love 、
トランペットが奏でる彼の永遠は、少年の恋そのもの、
もう練習のときからとても独特で、すばらしく美しかったのでしょう。
ぼくが、ぼくなんかが、恋におちた、
そんなすごいことが、こんなぼくに起こっていいのかしら。
フィンランドに行ったとき、川沿いのカフェが気に入って、夕暮れにまた出かけました。
冬のことで、出窓のむこうには凍った運河に凍りついた汽船、
雪の街路を月と街燈があわく照らしているのです。
テーブルにはロウソク、お茶をのんでもよいし、かんたんな食事をしてもよいのです。
すこしだけ値段の高い、若々しいけれど落ち着いたカフェレストランでした。
夕闇が暗い夜になりました。
外がよく見える席に、16才ぐらいの金髪の少年がいてだれかを待っていました。
空色のシャツに網目模様の灰色のセーター、紺色の冬のパーカ、
出窓のガラスにロウソクの灯がうつっても、待っているだれかさんは、
もしかしたら少年より年上なのかもしれないその少女は、
少年がなんど腕の時計を見ても、夜がすこしづつ深けても、
・・・待ってもまっても、来ない、のですよねえ。
時がすぎていく、時間がみえるようでした。