2011年8月22日月曜日

聖高原納涼花火大会

花火大会って、うれしいものだ。
それはそうと。
よくわかんないけど、湖畔で配布されたチラシのタイトルが
「第47回 聖高原納涼煙火大会」
煙火大会だって。
花火を煙火なんて、聖(ひじり)湖の人たちってストイックなのね。
 ?
この字だと煙草大会だな、と読んで私の想像はふくらみ、
全国喫煙者悲憤大会をひらいたりしたら、とさらに想像はふくらみ、
その大会の酋長には宮崎 駿氏こそがふさわしい、と想像がふくらむ。
タバコというと、アメリカに行ったときの宮崎さんの憎まれ口を思いだすからだ。
なんでもアメリカという国家は、当時、禁煙禁煙とうるさくて、
アメリカが原爆つくるのやめたら僕も煙草やめます、と切り返したんだとか。

さてさて。
麻績村観光協会は大型花火を50本も用意。
雨がパラパラきそうなので、休憩なしで、ボンボン打ち上げる方針である。
アナウンスはしっかりしていて、ゆっくりていねい。
「33番、大スターマイン、スペースファンタジー、34番、四寸五発早打ち、
清流のきらめき」
ドカーン、ドッカーン
スターマインに、スペースファンタジーか。よくわかんないけど、
夜空に華やかにして大輪の火の花がつぎつぎ開く。そして五十本目が、
「超特大スターマイン ナイヤガラ大瀑布、がんばろう!日本」
ていねい且つ、けなげである。
「宇宙への旅」「ときめきの時」「湖畔のそよ風」「魅力の華芝居」「絆の輝き」
「夏空のオアシス」「なでしこの躍動」「天体観測」 等々、等々。

見ていると、
四寸一発という、くりかえして出現する花火っていかにも山花郁子的。
こういう花火があると、大会はさらに楽しい。
湖面ちかく、なんども打ち上げられて、じゃんじゃか中空を飾る四寸1発は、
「空中の花園」「清流のきらめき」「無限の夜空へ」
同じ花火なんだけど名まえが陽気に変化する。 こだわらないところが山花的である。
火花の先はニジの七色、こども用の絣(かすり)みたいで可愛らしいし風情がいい。

終盤になって、とうとう雨が降り出す。
「母が亡くなったトシ(100才!)を考えると、私なんかあと二十年ぐらいしかないのね。
こうしてはいられないなと思うんですけどね」
さっと髪を一振り、山花さんは湖畔の観光協会とかいう建物の方へ。
明日の帰京にそなえて、タクシー会社の電話番号を調べる気なのだ。
超特大スターマイン、ナイヤガラ大瀑布にふりかかる雨もなんのその、
「いやがらせしてるのよねっ」
夜空雨雲にしたお天気にむかって、ぎゅっと一声。
すてきな山花さんは、だれに言われなくても、もとから、がんばろう!日本である。



              「大好きなおばけちゃん」いくこさんの老々介護
                   山花郁子著   日本評論社 2002年