2012年3月15日木曜日

山花さんの平和トーク


山花郁子さんからお手紙をいただいた。
調布市の西部公民館で講演をするそうである。
<西部平和フェスティバル> という市の催しのひとつ。
山花さんは以前、この公民館の館長さんだったこともある。
三弦の演奏を中国人のフェイ・ジェンロンさん。
そのあとが、
「絵本が伝える平和のメッセージ」
山花さんである。

山花さんのお話は、もう、とてもよかった。
精神まったく健康100%、親切素直、興味深々、元気溌剌、スピーディ。
たいくつしているヒマがない。

最近の北朝鮮見聞から語りおこして、戦時下日本の教育宣伝の体験談。
ブック・トークの活動家としては、さまざまな学校活動、子どもとの交流。
それから図書館の話。教育委員会の話。だって教育委員だったんだから。
そして本日のテーマ、平和を伝える世界の絵本の紹介と朗読。
つまらなそうでしょ? 固い話ばっかり。

ところがそれがそうじゃないのだ!

豊富な話題がピョンピョンぴょんぴょん飛んでいく。
なんにもコワイものがなくなっちゃったみたいな、
「とっても自由な人」を見る爽快。
講演、しばしば短い歌唱入り。上手で楽しい。
非凡なんだけど、限りなく平凡にちかい市民的非凡。
感じがいいのだ。
手芸が大好きで、少女っぽい作品もたくさん。
山花さんのファンがいっぱい、と公民館の職員が言ってたけど、
そうだろうなあと思う。
話したいことがあって、それをなんとかしてみんなに伝えたくて。
「でも時間があんまりないんですよね、残念ですよねえ」
とかなんとか、誰を非難するわけでもなく非難がましく言うわけなんだけど、
そのくせサッサと用意の絵本の山を一心にかきわけて明るく、
「それじゃ早口で」
山花さんたら、しまいには絵本を早口で朗読、それだってちゃんと芸になってる。
感動的でおもしろいのだ、かえって効果的なのだ、あはははは。
「あらこまったわ、わかりますかこんな早口。でも、最後に」
とか言いつつ、子どもたちの読書感想文の紹介にあれこれとりかかっちゃう。
「ええと、これだけは」と、また新しく始める。
これとて素直で心が洗われるようなお話、まだまだ聴いていたい。
アラ話してしまいました、そうですね思わず聴いてしまいました、という呼吸である。

しかし、それはそれとして、なのだ。
山花さんが語る素直で活き活きと楽しい人間世界のスケッチには、
山花郁子のスジというものが、底流に、存在する。
明確なゆずらない認識、これがすご味なのである。

私たちは、国家や権力の「刷り込み」にとても弱いのですよ、という指摘。

はればれと明るい話術を縦横につかいながら、
この日、山花さんが私たちにわからせたことは、それだった。
山花さんってすごい人である。

なにしろ、あさってお孫さんといっしょにアンコールワットに出発!