2012年3月4日日曜日

英語の劇の優勝


幼稚園をやめたらヒマになった。考えて多摩市国際交流センター(TIC)の
の英会話クラスに入れてもらう。学期の途中だから中級にしか空席が
なかった。まあいいかーと、例によって入学してしまう。
初級程度の実力だから、なにごともなく済むはずがない。
英語の「会話」のクラスなのに、会話できない、しゃべれない。

そのうち、国際交流を目的とするイヴェントなんかがあって、
クラスのためにポスターをつくってもらえませんか、とたのまれる。
「いいですよ。つくります、つくります。」
英会話ができないから、私の相手になった人は全然ベンキョーにならない。
ポスターぐらいステキなのを作らないといたたまれない。
幼稚園にいてよかった、ポスター作るの楽しいし。

一方、私の英会話パニックは亢進するばかり。
いやでイヤでいやで、もう登校拒否寸前である。
クラスの人たちはいい人ばっかり、親切だしなぐさめてくれるし。
講師は繊細内気なブルガリア人のキリルカさんで大好き。
あーでもいやだいやだ、出来ないっ、やめたいっ。

入学したのが後期だったので、それでもアッという間に年があけ、
修了式というおわりの式がせまって来た。
修了式は「成果発表」である。
それが TIC の恒例だそうで、
タイ語、韓国語、中国語、英語、どのクラスも発表しなくちゃいけない。
そうしたらなりゆきで、中級英会話の私のクラスの人たちが、
台本をこしらえて、演出もしてちょうだい、と言いだした。
できることはみんなでなんでも協力するからと。

英語のできない中途編入の私が英語劇の構成。台本を作って、演出。

「いいです、やります、だけどいいんですか・・・」
オー・マイ・ゴッド!とでも言うべきか。
英語じゃなくて、日本語でみんなに英語の朗読を教え?るのだ。
外人のキリルカ先生にまで、私がニホンゴ英語で指導?するのである。
一週間に一度なんだけど、こんなにいばってよいもんだろうか?
しかも、こうなると英語がどんなにイヤでも、
劇の練習があって、授業からにげることも出来ないのである。

そのうち時間の余裕がなくなって、私も本気になったというか。
練習を日本語の朗読をする時の方法に切り替える。
どうせやるなら、遠慮はダメだ。
私が割り切ったとたんに、みんなも俄然のびのび、
工夫はしてくれる、上手になる、いきいきとした表現がなかなかだ。
まっ、いいかあ、とクラスの人たちの笑顔と協力がはげみである。
「学芸会なんて何十年ぶりじゃない?」「ほんとほんと!」
マザー・グースが土台の単純なパフォーマンスなので、
猫になったりアヒルになったり、教室は鳴り物入りの大騒ぎだ。
修了式の日には、会場の参加者全員が投票(自分のクラスに投票してはいけない)
一位にのみ賞品が与えられるという話。
《WE WILL WIN!》
カッチマッショウ、とキリルカ先生がニコニコしている。

先生は修了式の朝、私たちみんなに、ブルガリアではこうすると言って、
毛糸の紅白のお守りを作ってきて渡してくださった。
このやわらかい腕輪はかわいいビーズでとめるのである。
それで、
私たちのクラス「英会話中級Ⅱ」の成果発表が、一位になった。
優勝したのである。
( 私は英語はできないまんま、修了証をもらってしまいました)
ばんざーい!