2014年4月19日土曜日

ケータイ頼みの憂き目


原宿の CAFEE SEE MORE GLASS  に携帯電話を置いてきてしまった。
いまこのカフェでは
それで君を呼んだのにー 忌野清志郎を想うという催しをやっている。
  TEL&FA   03・5469・9469

そこにガゼルのダンス帽子店の秋山さんが、清志郎さんをイメージした帽子を出品。
見たことがあるから知ってるけれど、まるで真夏の夜の夢みたいなボウシである。
しゃれたご案内をもらって出かけて、すごく楽しかったのはよいけれど、
小さいテーブルの上にポカーンと携帯電話を置き忘れてきてしまった。
しかし、よくしたもので、差し出されたノートに感想を書いたために身元がスグ割れ、
タケシのケータイに秋山さんから連絡が入った。

私はつぎの日、忘れ物を取りにまた原宿に行こうと思った。
明日はあのカフェで、たくさんの古びた童話の本を読んでいよう、とそんなふうに思ったのだ。
でも親切な秋山さんは、夜だというのに原宿まで行って私の携帯電話をゲットした。
あした彼女の勤め先の東大構内でランチを、というお誘いつきだった。
東大構内ってきれいな、今どきの日本にはめずらしく、ゆったりとオールドファッションな
場所である。それに秋山さんと話ができる。原宿の感想が言える。
駒場東大に行く、と私はタケシに言った。

ここまでは順調だった。

朝がきた。
タケシに駒場に12時ぐらいに行くと秋山さんに伝えてもらった。
「早めにいってあたりをぶらぶらすれば、きれいな所だから」と言われて、そうすると私は言い、
着いたら秋山さんに連絡するようにと言われて、わかったそうすると答えた。
タケシはサーッと仕事に行ってしまいバタリッと扉が閉まった。

あーっ!!

連絡ったってどうすんだよ、ケータイ持ってねーじゃん・・・
と遅ればせに秋山さん調で気がついたのである。
秋山さんは女の子できちんと日本語を使う人だけれど、こういう言葉を織り交ぜもする。

私って連絡できないわけなのね!?
しかし・・・秋山さんにそう伝えたくても、息子はもはや影も形もない。
古い住所録を見て電話を掛けたら知らない人にかかってしまった。
(年寄のほうがオレオレ詐欺ってあり得ないのに、ひどく若い相手は私を疑うふうだった。)
秋山さんの番号だって知らない。私のケータイがあればわかるけど。 
ツトムの家に電話をしムギちゃんに番号を教えてもらい、
やっとタケシのケータイに電話をかけたが、こうなると問題は少しも解決しない。
今じゃ電車の中だろうから当たり前なんだけど、テキは呼び出し音を無情にも切るのである。
メールなら、と思う。
ああでも、それはケータイあっての話なのである・・・。

そのうえ、午前中に用事があったと急に思い出した。
冗談じゃない、ぶらぶらもできないし、約束の時間にも行けない! 
しかもそれを秋山さんに会議が始まる前に自分じゃ伝えられない!
まー、すごい日で。
みっちゃん助けて、野田さん(いない、ケータイにでない)なんとかして。
私ってこんなに、ケータイにぐるぐる巻きにされていたなんて。
秋山さーん、ごめんなさ-い、ほんとうにー!