2014年4月9日水曜日

4/8・鶴三会 お花見ありて


まず鶴三会の世話役三人でスーパーマーケットへ。
これがけっこう楽しい。
細田さんは、品物を手にとってオレはこれをよく食べるんだよと言う。楽しそうに笑う。
おいしそうだ、買いましょう買いましょうよ。
小林さんは、ふだんよりちょっと良いものがいいかしら、という風情がよくて。
そうしましょう、ジャンジャン、ちょっと高いの、買いましょうよ。
私は、おそれ多くも、会計係なのであるから、
去年のお花見を思い出し、なんだかんだ差し入れだってあるはずだものと、
買い出しの時からもう楽しいのである。

そしてほーらね、ほどよく上等の赤白黄金色のワイン、日本酒と焼酎、
恒例後藤夫人手づくりの、香り高いコーヒーと紅茶・・・
飲んでも飲んでも、気持ちよく時はすぎてゆくのだ。
ノーベル賞の受賞祝賀会で供されたとかいう銘柄の日本酒なんてものがまわってきた。
なぜこういうものを不思議人間・加賀谷さんは知っているのか選ぶのか。
きりっと辛口の選びぬかれた・・・。

お話がおもしろくて、
明日から葉桜になるかというほどの満開なのに、花を見忘れてしまう。
時々、私は思い出して、桜のほうを眺める。
屏風の絵のようにたわんだ白く淡い枝々が美しい。
鶴三会は案外小さい会で、今日はふだん来ない方も来てくださって15人。
遠からず近からず、なかなかの親しさだと日ごろ喜んでいたけれど、
それ以上の何かもあるのかと、アルコールが回った頭でふわふわ、ふわふわ考える。
としをとるということのなかには、新しく優しく 、忘れていた友情のようなものが、
生まれたりすることもあるらしい、良いことなんてひとつもないと思っていたけれども・・・。

句会こそ、私たちのゆったりとした集まりの決め手のひとつ、
それは参加者のだれもが認めるところだが、
そうして三國さんのお人柄によるところが大きいと思うわけであるが、
・・・「俳句がこんなに楽しくなるなんて」と先生の三國さんがおっしゃって・・・、
そうそう、たぶんそれは自分のおかげだろう、
へんてこ俳句のつくり手(複数を擁せり)たちが、それぞれすごく嬉しそうにするのも、
ははは、陽気のんきな見ものなり。


三時間はたちまち愉快に過ぎて、
お扇子の代わりに割り箸を手にした中村さんが「高砂」を謡ってくださり、
かつて師範の資格をとられたという声が、うららかに淡紅白色の花の枝へと流れていく。
時間というものがゆたかさを増し、そこで即吟、詠われた三國さんの句に、
ああ、ほんとうにほんとうにそうだなあと、夕暮れのまえに一同うなづいたものである。

高砂の 謡われにけり 花の下