2014年12月26日金曜日

コストコへ


コストコってアメリカ資本の巨大スーパーマーケット。
そこで買ったものを時々おみやげにいただく。
アメリカ人は コストコ方式に慣れている。難なく会員制大量購入をやりこなす。
安いし、食料品は新鮮だし、なんでも揃っているという評判。

そこに友人夫妻に連れていってもらった。
そういえば2011・3・11、ここ多摩境のコストコで買い物客が亡くなった。
駐車場に上る自動車用通路が大地震でもろくも崩れた、そんな記憶がある。
「新聞の見出しの文字が大きかったじゃない?」
いまでは、そんな事故の記憶も痛手も、当然のように克服してしまっている。
文字どおりのスーパー・マーケット、「大」の字がつく・・・。

大きなカートを押して大勢の買い物客がぞろぞろ、ぞろぞろ、
あっちへ行くしこっちに来るし、老若男女、子どもまでまきこんだ買い物ディズニーランド。
若い家族連れが多くておどろくけど、大量に買って、数人で分配するという話だ。
「ああそうなのか、そうすればいいのね」
広いし、試食のご案内もにぎやかで、観光客気分になってきょろきょろしてしまう。
(皇居のつぎはコストコ見物と思うと、私のもの好きも最近は相当なもの)
面白くって私は、友人たちから離れて、ついふらふらーっとあっちへ歩いて行っちゃう。
迷子になったら携帯電話で呼んでみてねという世界だ。
買い物枠のスケールが極端に小さい私は、こんな巨大イメージにはたちうちできない。
ひとまず、白いヒヤシンスの鉢植えがあったのが嬉しく、これは安いと二鉢ゲット。
友人が押すでっかいカートをけっこう真剣にさがしまわって、そこに 並べた。
こういうものもダースで買わなきゃいけないのかと緊張したけど、そんな話でもなかった。

「こんな国と戦争したんだもんなあ」とYさんが。
竹やりとバケツ・リレーで対抗しようとしたのよね、と私。

見栄えのよい家具だとか、ストーブだとか、衣類に靴に、タオルに、トイレットぺーパーに、
買ったんじゃない、眼を奪われて、ほしいなほしいなと思って。やっぱり安いやっぱり安い、
やっぱり安い、それでいて商品の山々がなんだかハイカラのアメリカ調だし。
誘い込まれて、もうなかなか、 われに返れない。

・・・私は自分に言う。よく考えてよね。このあいだ家でパーティを開いた時、
「わっ、この家かわいい、この家すき」
はじめて来てくれたひとみちゃんが、玄関を入るなり迫力のある低音でそう言った。
ひとみちゃんはふだんから無口で厳しい印象の女の子だ。
だからそこで、時よとまれ、おまえは本当に美しい、と思わなくちゃいけない。
思えばそこで、こういう誘惑はピタリと終わるのだ。

それなのになんでこうも、次から次へと、買い物したくなっちゃうんだろう。
アメリカ帝国主義、Yさんが皮肉な声でいう・・・。やれやれまったく。