2021年2月7日日曜日

夕暮れ

 
読んでいる本から目をあげると、
そのたびに辺りが、あかく、なっている。
見れば庭に小さな鳥がいて、
たった一羽でパンくずをつついるところ。
夕方が始まっているというのに。

大空には怪鳥のようにも見える雲と、
鰐のように見える雲と、
ガゼルカモシカかもしれない雲が、
きれいで澄んだ寂しい青空に、
ばらのような色して浮かんでいる。

みんな東にいくのだ

しばらくして
また本から目をあげると、遠い空は
いつのまにか灰色がかった雲に覆われ、
冷たい空のコバルトブルーも色あせて、
ストーブをつけなければ寒い夕方だ。
電灯なしでは、字も、読めない。