2012年6月4日月曜日

図書館から本を借りた


なんとなく選んで借りるんだけど、無意識ながらわけってあるもので。

「大きなケストナーの本」 マガジンハウス
エーリッヒ・ケストナーは恩人だ。
子どものころ、涙をかくしたいとケストナーの本の世界に逃げ込んだ。
現実逃避。防波堤。「ふたりのロッテ」とか「飛ぶ教室」とか。
おもしろくておもしろくって、いまいる場所を忘れられる。
そのころは、ケストナーがナチスに本を焼かれた人だなんて知らなかった。
亡命せずドイツのどこかに隠れて、孤独で、自分あてに手紙を書いた人だったなんて。
自分が書いた手紙を投函、自分で受けとって読んだほど孤独だったなんて。

「百人一句」 中公新書
団地の鶴三会のつぎの集まりで、俳句を披露しなきゃなんない。
それで、いったいヒトはどんな俳句を詠むのか、と。
家に帰って、ぱらっと何ページ目かをひらいたら、
・・・・・高熱の鶴青空に漂へり だって。 五、七、五だ。
日野草城という人は結核で、
「高熱の幻想の中で自ら純白の鶴と化して青空を飛翔しているのだろう。」
そう書いてあった!  ・・・・!

「僕は文明をかなしんだ」 弥生書房
山之口 獏の世界を語る本。
おこがましいことだけれど、私もなんだか文明をかなしんでいる気がして
借りちゃった。

「メギー新しい国へ」 岩波少年文庫
ヴァイニング夫人が書いた。著者名がヴァイニング夫人である。
なつかしい。むかしの本。いつ読んだのだろう?
こどもの頃、なんども読んだ。
E・G・Ⅴining は当時の皇太子の家庭教師だった人である。
こんなステキな物語の著者が家庭教師だなんて、
現天皇はやはり並ならぬ運命の人だったのだと思う。