2012年6月12日火曜日

なにを読んでも元気がでるものだ


なにを読んでも元気がでるものだ。
選び方がいいのかもしれないさ。

ゆうべは「半分棺桶」という装丁がまことによろしい本を読みはじめた。
公民館で買った古本、200円で山田風太郎。
読むと半分棺桶というんだもの死ぬ話の周りをぐるぐる、
なんとはなしユーモラスで、
生きても死んでもまーしょうがないか、いいんだわいとうららかになる。
読者のこの気持ちを支えてくれるのが、山田風太郎の人品骨柄で、
文章のひょうひょう気楽を上質の博学が支えてくれる、なんといいましょうか、
漱石の引用を読めばよく漱石を知らないのに漱石をもう信用。
ははは、夏目漱石をいまさら信用するなんてないもんでしょうが、
尊敬もするし好きにもなってしまう、これがいい。
信用も、尊敬も、好きということも、ヒトを幸福にしてくれる。

今朝。
あたまのうえの木の枝で、キーギー、ギーと小鳥がさわいだ。
見ればスズメよりちいさいスズメふう、ショウビタキなのかしら。
元気。ピョンピョン飛んで、見つけたのか見つからなかったのか、なにかが。
二羽でさわいで飛んでいってしまう。

「ノアーレ」を手にとって読む。
高い本だったっけこれは。3000円を4冊、無理して買ったっけ。
長男に一冊あげたらとても喜んだ。
彼は野坂昭如さんを心底尊敬しているから。
今になってみるとすごい本。
ノアーレとは野荒れ。野坂昭如78才脳梗塞の今、を表現する一冊。
ー被写体と言葉は野坂昭如 -写真は荒木経惟 -画と文が黒田征太郎。
気迫にうたれ、真っ直ぐさにうたれ、カッコよさにうたれる。
集まって、連帯し、仕事ができると、サッと散っていく。
その仕事っぷりがまたシッカリキッチリ上等、写真の野坂さんを見て元気がでるのだ。
人間ひとりじゃないとみんなにわかるし。