2015年10月13日火曜日

満天の星


早朝4時半に目がさめて外にでると、ひさしぶりに星が輝いている。
冬が近づいて、冷たく澄んだ夜空に満天の星だ。
ふうっと、きのうの友人の面影がうかぶ。
いろいろな話・・・そう、たえまない鬱的な気持ちを、なぐさめられた・・・。

ふたりして日本舞踊の発表会へ行ったのだった。

鶴三会の永瀬さんが「 都鳥 」を踊るのを拝見。
私たちの団地の人がほかにもきている、そうじゃない人も何人もいるようで、
永瀬さんのお付き合いの広さに感心する。
さもあらんという・・・、永瀬さんって感じがよい。
懐かしいような温和さで、話ぶりが下町風だから親しみやすいしそれでいて目立たない。
ひとの重荷に決してならない佇まいが、私などには羨ましい。

夫君が亡くなって、鶴三会に入って。
鶴三俳句会も「やめたいやめたい、といつも思うんだけど」
聞くとそうおっしゃるけれど、努力を続けて、句集をみると一生懸命でかわいらしい。
私がなにかすると、お菓子をもって、だれかを誘って来てくれる。
電車でいっしょになったりすると、その日もおっとりと着物姿だったり。
なんでも銀座で「着物で逢いましょう会」があって、とはずかしそうに笑ったりして。
たまたま道で逢ったりすると、うれしくなるお人柄である。

幕が上がると、舞台中央にかがやくような水色の着物すがた。

たよりくるふねの内こそゆかしけれ・・・おうらいのひとに名のみとわれて
花のかげ・・・水にうかれておもしろや・・・
いかにも永瀬さんの風情にあった長唄であると感じ入った。


今年は、いやここ数年、我が家の柿の葉に異変が起こっている。
かつて平和だったときには、この柿の木は秋にはクリスマスツリーのようだった。
いちどきに、黄色、オレンジ色、赤、緑の色彩の美を謳歌する木であった。
今年は緑の葉と深紅と。それだけでどす黒くなって地面に落ちてしまう。
私の家のならびの人は、ここは造成した際、下層部に瓦礫を埋めたから、
何年かたつと樹木は枯れてしまうんですよ、という。
お隣の蜜柑の木、向こうの家の大きなミモザ、
そういえば私の家では桜上水から運んだ山椒の木が枯れた。
柿の木もそうなるのかしら。
むかしここに住んでいた子どもが、干し柿のタネを埋めて、
それが大木?になったというのに。