2015年10月9日金曜日

秋明菊ゆらゆら


秋明菊はキンポウゲのなかまだという

そうきいてうれしい
ちいさい時から本を読むと
本のページの野はらや主人公があるいていく道に
キンポウゲがよくゆらゆらしていたもので
きんぽうげ、キンポウゲ
キンポウゲって、黄色い花だけど、
私の頭のなかだと
しろいマーガレットの芯のところほどの大きさで、
ポンポンダリアのようなかたちの
小さい、小さい花なのだ

植物図鑑をひらけばよかったのに、
キンポウゲを私はこの年までほうりっぱなし
黄色の花とおもったのは、
作者がいろいろにそんなことを書いて描いたのだろう
ひらがなでキンポウゲはきんいろ、とか。
絵本の野はらは、淡くキンポウゲいろに黄色かったのだろう
青いそらはワスレナグサ色で、白い雲はくっきり、草はみどり
キンポウゲは麦わら帽子といっしょにいつも幸せ
さあ、それでいてワルイ魔法使いの庭にも咲いていたりして。

うちのしゅうめいぎくは
柿の木といっしょに、昔ここに住んでいた家族のうれしい置き土産
ひっこしてきて、しばらくはいじけていたけど
どうおもったのかだんだん元気をだして
右から左へ、レンガのあいだをまっすぐによこぎって
毎年、どんどん東へ東へと白い花が一列の行進
風に花がいっぱい音もなくゆれると、うちではそれが秋である


秋明菊はキクというけど菊じゃなく、アネモネの仲間でキンポウゲ科
そんな感じの、はかない色して、丈夫なおかしな花なのである・・・