2018年1月12日金曜日

復刻版


朝から気力なし。きのう仕事で遠くまで行ったからかしら。
むかし書いたルポルタージュが復刻版になるという話。
単行本にして再発行というのだから嬉しい。
私は〈虔十公園林〉という童話絵本をもって行った。

この本の挿絵画家に絵を描いてもらって下さい。
どうしてかって、虔十という頭が足りない子がかわいい。
いじめられても、なぐられても、喜んで笑っても、可愛くてリアル。
ほかのただの子ども達も、よく見ればすごく子どもらしい。
なんにもない畑ばっかりの農地の貧乏ったれぶりが、いい。
美しいけれど、寒くて、過酷な自然というもの、
戦時下の農村、疎開保育園が張り付いていた土地そのもの、
この画家の絵は、詩のようでいて厳しくリアルです。

戦後70余年、私たちは繁栄してそういう風土を失った。
37年前に書いた時は考えもしなかったことだけれど、
「ロマンティックな追憶の土台がどうしても私は必要だと思っているんです。」

そう言ったんだけれど。