2018年7月8日日曜日

映画館にいく!

 
どうして「!」をつけたかというと、ひとつもマトモに進行しなかったので。
まず本を読んじゃって東中野で降りなかった。
まさか、新宿の、次の次の駅が東中野だなんて。
気がついて降りると、中野駅って、
どうも東中野に止まる電車のプラットフォームが一つじゃないらしい。
普通には電車はこない、でもそのうち来る、というプラットフォームがあるのだ。
階段を降りて昇って、そのばかばかしいプラットフォームに着いてしまった。
一つ隣の各駅停車の駅なのに、東中野は。
電車が来ないから行けない。映画の開始時刻に間に合わない。

新宿にもどってお昼ご飯を食べてから映画、と考える。
時間がありすぎるので、新宿の地下道をずーっと中村屋まで歩く。
食べるのに時間がかかりそうなセット・ランチを注文。
「コールマン・カレーってどういうものですか?」
ボーイさんが、ヨーグルトとクルミのスープでなんとかと言う。
鶏肉がいやだったので、お肉はと質問すると、
「牛肉でございます」
忙しい時でイライラしたのだろう、ボーイの目の色が冷たくなって、
失礼だし不愉快だった。私をばかだと思っている、それが私に伝わらないと
なぜ思うのか、不思議だ。
しばらく待つと注文のセットが別のボーイによって運ばれてきた。
どう見てもカレーに浮かんでいるのは、ジャガイモと鶏肉の塊なので、
これはコールマンカレーですか、ときくと
「さようでございます」
客とは気の弱いもので、鶏肉みたいな牛肉なのかもしれないと、思う。

コールマンカレーは殆ど残した。腹が立ってきて、
ウェイトレスにきてもらい、説明がまちがっていたと申告する。
気の毒そうに平謝りしただけで、彼女は向こうに消えてしまう。
中村屋ってなんなのだ。
そう思いながら食べていると、しばらくして、
私にこれはコールマンカレーだと答えたほうの人が来た。
少し年配だから、ボーイ長なのだろう。
謝ってこれからきちんと教育をいたしますので、という。
悪気もなんにも彼にはないが、それだけである。

こういう場合は料金を取るべきではない。
それが老舗の立場である。高価な設定はいい加減をゆるさない。
料金を支払うかどうかは、間違えられた客が決めることだ。
もちろん些細なことだから、客は当然、料金は支払うのである。
払いたくなければ、料理が運ばれた時点で、抗議しなければならなかった。

私の扱いにこまって、お飲み物をサービスいたしますと、
衆人環視のなかで彼は言ったが、私はサービスを追加しろと言ったのではない。
なにもかもセットしてあるランチを注文したのだから、
お飲み物はもういらないのだ。

また東中野に行く。
映画館のカフェで、まーだ時間があるので「お飲み物」を注文。
腹が立つけど、そういう日なのだ、きっと。なんかかんかが掛け違う。
ちょっと、可笑しいというか。
前の回なら講演つきだったのに、それだってダメになった。
ロクなことがないけど、そういう日もあって、それでなんとか、日常の均衡が
保てているのかもしれないのですよね。

映画は、ドキュメンタリーではなく、劇映画だった。
「返還交渉人」である。こういう企画。俳優たちの努力。
「あの日のオルガン」も、こんなふうによかったと思ってもらえたらと願う。