2022年1月23日日曜日

眠る。 病院からの通信➂

*➂退院  

きのうの朝、からだを拭く熱いタオルが2枚だけ運ばれてきました。まるで足りないのであと3枚下さいと言いにナース・ステーションへ。 「寝汗がひどいので そうしてもらっているんですけど。」 無表情なナースは私がそう頼むと、今日はおふろだと。そんなこと聞いてないしおふろは午後でしょと、口に出さないけど思う。 そこへゆうべの夜勤の男がやってきて迷惑そうに、好きにしてもらったらいいよと。 二人は不満もあらわにタオルを私にくれました。 私ね、あとで使用済みタオルとシーツを返却しにいって「あなたが家に仕事からもどった時、2枚の濡れタオルで身体全体を拭いてみて」といって、ナースをこわがらせたの。 ニコニコしながらよ。ーアッという顔したから理解したのね。         できっこないもん。髪の毛と顔と手を拭くのがやっとよね。  

おこってるんじゃないわよ、誤解しないでね、判ってもらいたいだけなのよ。                           

でもさぁ、さっきからあなたはずっとニコリともしないわよね?  私たち患者からみるとそれってやっぱりこわいのよ。 年寄りで病気、わたしの部屋なんか、痛くてものも言えない食べられない人がふたりいるわけでしょ。 ニコニコしなくてもいいけど。でも。やわらかい親切な顔してなきゃだめだとおもわない? くちをきける時なんでも言いやすいように。だってさ、あっちはモノも言えないほど痛いんでしょ今は。 さっきのあの男の看護士については鈴木先生に報告すると昨夜いったから彼に。あんまり失礼だから。         あなたはまだ若いし、緊張してるだけなのかもしれない。 でもあの人はちがう。論外よ。ジョーダンじゃないわよまったく。(わたしってこわかったと思うわよねー彼女だって) つぎに廊下でばったりあったら、ビビッてお辞儀なんかした・・・あーあ。            いまは考えをかえて、医務室まで送迎してもらうときなんか笑顔よ。仕事上、彼女は私を車椅子で一階まで「送迎」しなけりゃいけないの、私って歩けるんだけど、けんかできるんだけど、目が見えないからね。やっと入院に慣れたら退院。 おかげさま休んだ、健が仕事なので萱野さんが迎えにきてくれる、それでとても安心です。

(いま思うと入院した時は夏だった。)