2011年7月23日土曜日

そっとかくれて

そっとかくれて応援してるからね、と言われた。
柱のかげでね、いつも応援してるよ。大好きだから。
まるでオジサンのようだ、まだ5才なのに。

幼稚園の二階にのぼる階段はいつも混んでる。
だれかしらが、のぼったりおりたり、けんかもしたり。
私は昇る、彼は降りる、そこでばったり会ったらそう言うのだ。
あ、園長先生、と言って。
いつも無表情な顔がすこし、でもちゃんと笑っている。

私はけっこう前からこの坊やをさがしていた。、
在園児が多いので、名まえを知らないとなかなか出会えない。
さがしたのは、
ホールで合唱する五才のなか、彼の身振り動作が、
歌をうたう楽しさでひときわ光りかがやいていたからだ。
楽しんでいるすがたが、音楽そのもの、
魂と音楽が今いっしょにときをすごしているんだな、という印象を受けせいだ。

あなたはだあれ、どのママのこども?
みんなで音楽会に出かけるような、そんな家の子どもなの?
そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
うちの人に、商店街の宝くじの一等賞、みたいなお知らせを、
音楽を楽しむ才能がひそんでいる、おめでとう
みたいなお知らせをしたかったのだ。