2012年2月21日火曜日

川柳、たとえば

板尾創路さんのお父さんは、川柳の人だときいて、
川柳の本をひらく。
さがしたら、うちの本棚に川柳集「わが阪神大震災」があった。
1995年刊行。大和書房。

曽我碌朗
裂けるなら裂けよニッポンさようなら
ろうそくの中に浮いたる妻の貌(かお)
神仏は弱者の順に圧し潰す(おしつぶす)

葦 妙子
揺するなよ原発四十基のあたり
希望あり今朝土割りの蕗のとう

島事美津子
不意打ちに突き上げられる核炸裂か
余震しきりに今何日の何曜日

時実新子
待っていたような気もする地の怒号
天焦げる天は罪なき人好む


ところで私の好きなむかしの川柳をいくつか。

調べたら皆勤だった地味な人 (岩井三窓)

救急車うちの子供はうちにいる (富士野鞍馬)

はくじょうな会社と入社時から思う (岩井三窓)

人類は悲しからずや左派と右派 (麻生路郎)

淡々と生きだんだんと利己主義者 (椙元紋太)

愛されて巡査で終わる桃の村 (摂津明治)

幼な子もそれなりに見るメロドラマ (吉里和郎)

点滴の間いびきの楽天家 (橋本芳久)

などなど。