2011年9月10日土曜日

ライブ 松元ヒロ『ひとり立ち』

新宿明治安田生命ホール 松元ヒロライブ。

ヒロさんのライブが好きで、以前はチケットを20人分予約し、みんなに
買ってもらっていた。ぜひ観てほしいぜひと、頼まれたわけでもないのに。
90分間を大笑いしてすごす楽しさ、である。

松元ヒロはひとり語りで、
今日の政治にかんする言いようもない私の、みんなの、
わが怒りわが腹立ちわが憤慨を、おかしな具合にじゃかすか、
もうありとあらゆる方法で、表現するのである。
なんてったってスカッとしてしまう。
それでいて、彼はぜーんぜん下品じゃないのだ。
今回は香月泰男という画家についてのコント、描写がとてもよかった。
耳から入ってくる文学。ユーモア。そして日本の歴史。

幼稚園で働くようになって、私はどこにも行けなくなった。
くたびれるものだから、働くだけにどうしてもなってしまう。
しかし働く日々は、それはそれでよいものだった。
ヒロさんが舞台上に描き出す世界、
日本という国のおかしさやゆがみ、かなしさや、理不尽な現実のなかに、
たぶん一番よいかたちで、自分も参加できていたから。
子どもはおかしく、親たちもおもしろくって、私はいつも笑った。

でもまたヒマになったので、今度は劇場にみんなをさそって、
みんなで大笑いしたいなーと思う。
よろこんだり、笑ったり、よくわかったりする時間をふやす。
そうやって、みんなで生きていくのだ!
気持ちはあっても、私は自分じゃ、あんなふうに語れない。
あんなふうに人を笑わせられない。
残念だ。
でも残念だけど、いいじゃないの、ヒロさんがいるから。