新宿明治安田生命ホール 松元ヒロライブ。
ヒロさんのライブが好きで、以前はチケットを20人分予約し、みんなに
買ってもらっていた。ぜひ観てほしいぜひと、頼まれたわけでもないのに。
90分間を大笑いしてすごす楽しさ、である。
松元ヒロはひとり語りで、
今日の政治にかんする言いようもない私の、みんなの、
わが怒りわが腹立ちわが憤慨を、おかしな具合にじゃかすか、
もうありとあらゆる方法で、表現するのである。
なんてったってスカッとしてしまう。
それでいて、彼はぜーんぜん下品じゃないのだ。
今回は香月泰男という画家についてのコント、描写がとてもよかった。
耳から入ってくる文学。ユーモア。そして日本の歴史。
幼稚園で働くようになって、私はどこにも行けなくなった。
くたびれるものだから、働くだけにどうしてもなってしまう。
しかし働く日々は、それはそれでよいものだった。
ヒロさんが舞台上に描き出す世界、
日本という国のおかしさやゆがみ、かなしさや、理不尽な現実のなかに、
たぶん一番よいかたちで、自分も参加できていたから。
子どもはおかしく、親たちもおもしろくって、私はいつも笑った。
でもまたヒマになったので、今度は劇場にみんなをさそって、
みんなで大笑いしたいなーと思う。
よろこんだり、笑ったり、よくわかったりする時間をふやす。
そうやって、みんなで生きていくのだ!
気持ちはあっても、私は自分じゃ、あんなふうに語れない。
あんなふうに人を笑わせられない。
残念だ。
でも残念だけど、いいじゃないの、ヒロさんがいるから。