2011年9月25日日曜日

映画ふたつ

銀座のシネ・スウィッチをさがし、「人生、ここにあり!」(イタリア映画)を観る。
人生ってどこにあるのか。ここにあるのが人生か、それともどこへ消えたのか。
それがよくわからない精神病者のきもちを、ちっとも否定しない。
そういう人間観と、そういう精神病理学を基本にできた映画なんだなと思う。

ちっとも否定しないセリフを数々書いて、しかもそのセリフを軸に物語を展開さ
せていく。物語が展開するとは、精神病者たちをとりまく社会もまた、セリフに対
応してかわっていくということで、そこが日本人と、まるでちがうな、というかんじ。

イタリアは精神病院を廃止、患者を拘禁しないで治療しようという国である。

銀座から、本の街を歩いたりしたくて神保町へ。
神保町といえば映画の岩波ホール。
看板をながめて、やっぱり映画のハシゴをしようかな、遠くまで来たんだし。
それで時間をたしかめ、チケットを買い、ロビーでお茶を飲み、
座席に落ち着いてスクリーンをながめたら、うわっ、みる映画をまちがえてた!

でもいいか。岩波ホールなら、まあいいや。
なんとか自分に折り合いをつけ、みたいと思わなかった映画を観ちゃった。
一日のうちの、ある時間帯だけべつの映画を上映するなんて。
複雑すぎるじゃないの。