2012年5月8日火曜日

春の終わりのとりとめのない日


忘れたころに
忘れた場所に
ひとりで立って咲く淡いムラサキ色の
きれいなシラー・カンパニュラ―タ
町田市と多摩市のあいだの
ほこりっぽくて田舎っぽい
どうしようもない道端に咲いていたというのに、
生れたのはスペインかポルトガルなのね

ケシの花は
アスファルトの割れ目に幾つも葉をのばしていたから
盗ってもいいかとおととし庭に植えたものだ
考えてもいない方角の植木鉢の中なんかに
今年はぽーん、ぽーんと、咲いている
ヒナゲシ、ヒナゲシ
茎や葉にあらい毛があればヒナゲシと
図鑑はそういうけれど
とげとげは茎にはアリ葉にはナシで

今朝という日は朝食を作り、
柿の若葉の影で草をとったり花ガラを摘んだり
鈴蘭が静かに香りをよこす
病院へ行ったあとは
図書館へ
おじいちゃんの休暇という子どもの本を借り
公民館の食堂で
泣き泣き(!)・・・・
ちゃんとご飯も食べるんだけど
そのフランスはブルターニュの童話を読む
なんてカンドウの物語りでしょう

お掃除もしたし
洗濯もしたし、たたんで、しまいもした
夕食もつくるのである
ユメを踏んで歩いてるのか
なんにもしてないような気のする一日
郵便ポストを開けてみたら
空色の手紙が入っていた
はるか北海道の友が、ピース・ボートに乗り込み
今朝、横浜港から世界へと出発 
いやはや
とりとめのない私の夕方が
点のように思われて
春のおわりって、お手上げだ