2012年5月22日火曜日

ゴルキの「MIA」ー私的解説


娘がつくったテープのなかで、
私はゴルキというベルギーのバンドの「MIA」がとてもすきで、ブログに。
興味をもたれた方は前日の頁をごらんください。

ベルギーの首都ブリュッセルには、
欧州連合(EU)の本部と北大西洋条約機構(NATO)の本部がある。
だから小さい国だけれど、ヨーロッパ文化はベルギーで交流する。
学校がきらいでも、勉強がいやでも、国家権力をきらっても、
ここの子どもたちは、
バイリンガルなこの街で、世界市民的なセンスをもって成長するのだろう。
ブリュッセルの公用語はオランダ語とフランス語だし、英語を話す人だって多い。

歴史も政治も芸術も、空気のようにふつうの魂に影響する。
お金がない人にだって。

ブリュッセルに行ったとき、
魅せられたようになったのは、ホテルの前の光景だった。
私には、ごちゃ混ぜを好む傾向がある。
「見てよ、遥、見て、見て!」
私は窓からのりだして、娘に、
「見てよ、あの人、これからどこへ連れて行かれるの?」
ホテルはブリュッセル中央警察署のまん前にあって、逮捕された男が
手錠をかけられてパトカーに乗せられる瞬間だった。
ホテルの側の角、警察の前だけど、そこにはゲイバーがあって、
さっき、ものすごい美人が立っていて男たちがとりまいていたけど、遥が、
「お母さん、あれは、男よ」
それにしても、な、なんだって中央警察署の前にゲイバーが?!
さっぱりわからないことに、ゲイバーは夜になると大盛況になるのだし、
かならず悶着をおこして、大騒動になり、
警察のご厄介になりそうでならないんだかどうか、そこいらへんがわからない。
パトカーがなんの目的かたくさん待機はしている。
中央警察署と有名中央ゲイバーって、考えてみるといい組み合わせか。
こんなに警官だらけじゃ、殺人事件に発展することはないだろうし。
ゲイバーの横に、たえまなく口から水を落とす神話的な男の石の顔があって、
昼間見たら、石像がこころなしか疲労しているような気がしたのもヨーロッパだ。
禁止だとか否定だとかを、そんなにカンタンにやらない体制。
懐が深いというべきか、厚顔というべきか。

さてゴルキというバンドの名前は、
ロシアの作家、マキシム・ゴーリキーのゴルキだそう。
ゴーリキーは大作家で、革命後ロシアに作家会議をつくった人である。
ロックとゴーリキー。東西と新旧が交流している。