2014年1月4日土曜日

新聞がとどいて日常がもどる


新聞がとどく。
去年までの、いや、この年齢にいたるまでの私のくらしが、ズシリとのしかかる。

森本さんからお年賀状が配達された。
去年愉しかったことのひとつは、森本さんの奥様を知ったこと。
森本さんがあんな事故にみまわれなければ、
会うこともなかったはずの人である。
クルマ椅子の森本さんを見て、なんて清浄な表情、と感銘をうけショックだったけど、
それと同時に、家族をだいじにしていたのだろうなと、それが印象的だった。
お見舞いの気持ちがあたたまって、ホッとする光景だった。
なんて可愛らしい美人の奥さんなんだろうとびっくりした。
やっぱりね、とも思った、ははは。
彼女と息子さんと娘さんと、家族がみんな、
不測の大事故で身障者にされたお父さんを、自然にだいじにしている。
離婚した私なんかの胸にこたえる光景だった。
彼らは娘さんの婚家近くにマンションを借りて、森本さんの療養と通院に備えており、
私たちむかしの同窓生はそこに伺ったのである。
事故から一年・・・。
森本さんは、事故にあうまえ自他ともに許す企業戦士だった。
マンションは目白駅のすぐ近く、新しくてきれいで高層の12階だから見晴しが素晴らしい。
新宿のビル群があたり一帯にひろびろと、霞たなびくなか夕陽に照らされているのである。
寝返りが自分ではうてない森本さんは、夜がくるとウォーターベッドに寝かされる。
ウォーターベッドかあ。
ああ、こういうことが実現できるほど働いたんだなあと思う。

みっちゃんのことを考える。
「戦争になれば、真っ先に邪魔にされ見捨てられるのが私たち障碍者だ」と、彼女は言う。
老人と、老若を問わず病人と貧乏人。
そして、だいじにしているふうに合唱されてるけど、子ども。
子どもだって、苛烈な世界に日本が傾斜すればするほど、邪魔にされ見捨てられるのだ。


私の家の朗読の新年会に、「赤い疑惑」のアクセル長尾が参加してくれることになった。
優秀な若者で、行動的なミュージシャン。
そんな人をみたいでしょ。
タケシも参加するから、弾き語りとトークつきのめずらしい新年会ができそうです。