2015年8月5日水曜日

現天皇の思想信条について語る本


ある日、約束の時間の一時間以上も前に目的の場所に着いたので、
それはそれでゆっくりできるから嬉しいと、新装の洒落た駅ビルの中にまよいこみ、
エスカレーターで登ったり降りたり、本屋さんにも行って、
とうとう一冊の本を手に取って買った。
120ページ、写真入り、1000円。
どこかでコーヒーを一杯飲もう。
そうしているうちに半分ぐらいは読んでしまえそうである。
「戦争をしない国」。おどろいたことに、明仁天皇メッセージという副題がついていた。

何年か前、オランダの遥のところに行った時、ハーグという街を見聞、
立憲君主制って、わが国の自由・民主党連続たらいまわし固定政権よりずっといい、
という感想を私はもった。
オランダ王家のベアトリックス女王がはためにも断固としてリベラルなのだ。
ナチスにオランダを占領され英国に亡命を余儀なくされた王家の人である。
資本家のなれの果てよりずっといい。ずっとマシ。

日本の天皇制はだれにとってもよくない息苦しく残酷な制度と思うが、
現・明仁天皇は、ヒットラー的自公政権より断固たる平和主義者である。
それはこの本を読めば、よくわかる。
「憲法遵守」「戦争反対」をいかに皇居に幽閉された「象徴」であるのにつらぬき通したか。

「戦争をしない国」ー明仁天皇メッセージ は、驚くべき一冊である。
「なぜ日本は基地と原発をやめられないか」の著者がまとめたというのも素晴らしい。
大々的に売ってほしい、買ってほしい、読みやすいし。
思うにやっぱり、このままでは安保法案は参議院を暴力的に通過してしまうだろう。

それでも本書は安倍晋三に対するカウンターパンチである。
時節柄、秀逸!