2015年8月6日木曜日

草取り


草取りなんかできるはずがない、と自分は思うけれど、
通りに出れば、いやでも炎天下で働く人たちが目につく。
どうしてかといえば、息子も、かれのだいじな友達もこの熱気の下で働いているんだと
あの顔、この顔を思い浮かべるのである。
自由に基づくなにかを手放すまいとする若者に今年の夏はいっそう苦しいだろう。

年配の、老人がヘルメットを被って、工事現場の交通整理をしている。
今年の東京は沖縄よりもっと気温が高いそうで、遠目にも作業着の人は苦悶の表情だ。
東京都の都議会議員の政務活動費は都議ひとりあたり月額60万円だというではないか。
公布総額約9億1千万円。
議員さんって、このほかに各自月給が出るのですか?


にがい平和。
草取りをした。
小さな庭なのに雑草でごたごた。
まてよ。夕方だと蚊がブンブン私にまとわりつくんじゃないの?
私は目をすがめ庭を調べる。12時少し前なんだけど、柿の木の下には影がある。
柿の葉やアジサイの葉っぱが風に凪いでいる。

ああ、なんて鬱陶しくて暑っ苦しい庭になったのだろう!
涼しかった時もあったのに、私ときたらそのころは無気力どん底。
がんばって武装して、しいねはるかちゃんがくれたハーブの虫除けをぬりたくって、
帽子をかぶり、長ズボンにくつした、長そでシャツ、クビにはタオル。
熱気がたしかにすごいけど、虫除けと思って準備をするうち、だんだんヤル気になってきた。

カタキのように小笹を伐り、つる草を引っこ抜き、雑草諸君を引っぱって抜いて、
ごろごろしている植木鉢をならべ替えて、土を撒く。
庭仕事をしながら、ゆっくり思索にふけろうと空想したのであるが、
私は気が短くて生来単純だしドーンと暑い。思索なんかまるで出来なかった。
はびこる草がじゃまでじゃまで、それをビニール袋に突っ込むのにまー忙しくって。