2011年10月25日火曜日

サンジュウマル


その三人にあうと、なんとはなし春にであったような気分。
お母さんに連れられてくるお兄ちゃんと弟。小さいマル顔がもうそっくり。
お母さんもまたほっそりして、ふたりの息子にすごくよく似た小型のマル顔だ。
それで朝なんか、三人がむこうからやって来た場合、
私の目には、大中小のマル、マル、マル、が並んでということになり、
しかもこの三人は、一年を通し 「気候温順太平洋波平らか」 とでもいうか。
不機嫌だったこともなく、泣き顔だったこともなく、大笑いはしないけどいつもニコニコ、
情緒が安定していることといったらふしぎなくらい、どうしてなんだろう?
もちろん、子育てに適したおちついた家庭だから。
考えてみると、こういう家族はホントいまどきめずらしい。
かえってわけがわからなくなっちゃう。
それはそうでも、目が楽しいし安心安定、なんだか冗談も言いたくなってきて、
「あなた達のこと、サンジュウマルって呼んでるわよー、わたしは」
そう言ったらお母さんが、ええ、よく似ているって言われます、と笑いだした。
家族の都合なのかお父さんが子どもたちを連れて来る日もあって、
「きょうは二重マルで幼稚園に来ました、ははは」
四人で来るとちょっと壮観、1000円札というわけね、なーんて言ったものである。
一家のなかでこのハンサムスッキリスーツのパパだけが、面長だったからである。