2016年2月18日木曜日

おぅ い雲よ


昨日の雲はおかしな雲で、口を開けたワニが、
ワニ、ワニ、ワニ、ワニと並んで、
それから崖のような大雲のあとにまた一匹のワニだった。
2011年の3月11日以来、雲はみょうに意味ありげな様相で、
自然なものとも思われない。

詩人・山村暮鳥によれば、

            雲
      丘の上で
      としよりと
      こどもと
      うっとりと雲を
      ながめてゐる

            おなじく
      おうい雲よ
      いういうと
      馬鹿にのんきさうぢゃないか
      どこまでゆくんだ
      ずっと磐城平の方までゆくんか

子どものころ読んだこの詩に影響されてか、それとも自然にまったく無関心だったせいか、
空の雲なんていっても、雲印とでもいうようなただの雲でしかなかったものが、
最近はああなったりこうなったりする。ワニにもなるし、ゴジラやクジラや・・・。

としよりのワタシとこどものワタシがいま一緒になってあてどなく雲をながめると、
雲は風に追い立てられてせかせか。
     馬鹿に急いでいるぢゃないか
     どこまでゆくんだ
     ずっと福島県の浜通りまでゆくんか ずっと磐城平の方まで