2016年2月23日火曜日

お正月だった


今年のお正月、自動車で道志の道を行くと、猿のたぶん若者が出てきて、
ぴょんぴょんと右から左へ、つまり畑の中へと侵入。
道ばたの畑には柵もないのである。
あら、あらとビックリして目をこらすと、もうそこに先着の父さん猿その他数匹、青菜物色中。
畑の持ち主にしてみればすごく癪にさわる事態だろうけれど、
猿たちが程よくふっくらと太って、灰茶の毛並みも生き生きと朝日に美しく、
なんともかんとも健康そうなのに胸をうたれる。
顔なんか寒いせいか、楽し気な桃の色で。
なんの憂いもかんじられぬ、メタボなど知らん顔の、まったき自然というもの。

猿がこんなにきれいな動物だなんておどろく。

私たちは畑の猿にみとれてしまい、しばらくすると車は山あいにさしかかり、
そうなってから急に、ああそうだ、ことしはサル年だったと言いあって、
これはもう縁起がいい、きっといいことが起こる前兆だ、と信じたのである。

遥がオランダから到着したばかりで、
休暇のような日々がまだまだ先に続いていた。
申年。サル年のお正月に、今まで見たこともなかったのに野性の猿に出会うとは。
あの山ふところのどこかから、はるばる、ピョンピョン、跳んできたのか、
途中に ほかの畑もあったろうにと、ホント不思議な気がした。

今日こそ宝くじを買うべきだという当然の話になった記憶があるけど、
宝くじなんかここら辺の山じゃ買えないんだし、
私など、タヌキまたはキツネの宝くじ売り場と平凡なことを考え、
そうなるとハズレ木の葉ばっかりなんだろうし、
やっぱり 「努力が報われるんだろう、きっと」程度のユメがいいのじゃないかと思い、
・・・ちょっとワクワクする新年であった。