2016年2月7日日曜日

北風が吹く日のライブ


密葬のあとでもう一度葬儀がおこなわれた。
そんなこともあるのか、Э家に行くと葬儀社の職員が迎えてくれて、
祭壇にお骨と、去年、今年の故人の写真が飾られてあった。
お香典が大変な数で、孤独死だったのにと不思議な気がする。

お焼香に訪れる、中学、高校の、それから家のある通りの近所の少年だった人、
「この家に毎日来てましたから」とすらっと言う人がいた。
あのころのツケを払って苦労してきたのだろう、どの顔色もさえない。
同期で死んだ人が最近4人もいて、そこに学くんが亡くなったという知らせだったと言って。
母親が働きづめでほとんど不在だったむかし、
この家は2階の学くんの部屋が、かっこうのたまり場になっていたのだ。

国領駅まで歩く。すごく寒い日。
電車に乗って、新宿で降りるはずが眠ってしまい、気がついたら九段下。
こまるこまる、引き返さなくちゃ!
みっちゃんと待ち合わせて、阿佐ヶ谷のライブハウスに行く約束なのに。
やっと約束のレストランのまえまで行くと、
「時間があったから買い物をしちゃって」と上等なハンドタオルを何枚も渡される。
いまやハンドタオル長者・・・こんなでいいのかなー、私ってもう。

阿佐ヶ谷でライブハウスをさがしさがし歩いていると、
「えっ、みっちゃん、みっちゃんの声がきこえるー」と礼美ちゃんが見つけてくれて助かる。
ライブハウスに入ると、みっちゃんはそこにいる誰か若い人とサッサと話しだす。
どうしてかというと、前に会って覚えているから。
私なんかあさっての方向をポカンと見てるのに。
丸山さんにも会えて心の暖まる夜だった。学くんの弟の顕くんもいたらよかったのに。
・・・でもすべての後始末と仕事と。
ひとしきりイロイロのことをしなくちゃならないのが今のところの彼の運命で。

今日のライブの主賓は中田さんという美人。もとアイドルだとか。
宮部みゆきの傑作「ソロモンの偽証」の主人公・藤野涼子がもし歌い手になったら、
こうもあろうかという・・・クレバーで程よくてすごく素敵な歌手である。
takeshiくんは中田さんの前に歌った。