2016年2月6日土曜日

ガゼルのダンスの写真展


昨夜は森さんの写真展の初日。
7時到着をめざして、甲州街道を車で走る。
お祝いに歌をうたおうと、健がギターとアンプを積み込んだ。
私はピューリッツア賞受賞全写真という重たい本を森さんにプレゼントするつもり。

森さんは今日も働いているから、7時じゃないとガゼルのダンス店に来られない。
彼は健がまえの職場でかくとくした?年上の親友ともいうべき人である。
金曜日なんて4人ぐらいしか集まらないんじゃないかという予想が外れて、
誰かしらが来てくれている。大きな花籠のお祝いも飾られていてうれしい。
さすがお人柄である。

よくこれだけ撮ったものだと思う。
森さんはどんな日も、路上で木の枝を払い、掃除し、草を刈り、
炎熱の夏も、凍る雪の日も、福島で原発が爆発したあとも、いつも誠心誠意働いている。
クルマで道路を走れば、作業着のそういう労働者に必ずでくわすが、
寡黙で、ひかえめで、やさしくて静かという、このどこか頑固な青年にあわなかったら、
いくら窓外の人々をこの眼で見たとしても、
作業着の内側の個々の人の考えや暮らしを考えることなど、できたはずがなかった。
はじめての個展だから、
そしてそういう森さんなのだから、
森さんがなにを語っているかということをひとまず置いて、
私たちの人生の時間をすこしばかり彼にわたし、彼がおぼれる手で掴んだ断片を見てみよう。
彼が1000枚撮った中から選んだ断片を。
なぜなら、ガゼルのダンスにいるのは友達ばかり。
友達が見ているということにこそ、
この浮世、このクソ日本の冷たさから私たちが離れて別れていく保証がある。
この森さんの多くの断片は、かすれた出発進行の声なのだ。

だけれども・・・今日はみんながへとへと。ばててしまって意気が上がらない。
負けが込んでるというか、そんな運命の日だ。
顔色が壁紙みたいに白くて。冗談を言ってもなんだかおかしくないし。
歯茎が膿んでるとか、過度に煙草を喫ったり・・・。
ああなんでだろう、なんだろう。二月はこんなに暗くてこんなに疲れるのだ。
長時間の無理な労働、職場で受ける軍隊型のいじめ。
契約期間が切れるたびに職を探す不安、面接で傷つけられる屈辱。

私はオランダにもどって行った娘のことを考える。昔のまんまで笑っていたなーと。
2007年度のユニセフの調査によれば、世界一子どもが幸福な国はオランダである。
私の娘はもう子どもじゃないけれど、もう大人で苦労して働いているのだが、
それでも子どもが幸せな国にいる遥は、独立と自尊心をまだしも保持しているのだ、
ここにいるアーティストたちよりずっと。
 
うちに帰ったら12時を過ぎていた。


今日は、わが団地のブロック委員が集められて、次期理事会の役職を決めた。
私は広報担当理事になった。植栽担当になりたかったんだけど希望者が多く、
立候補しても無理みたいだから、早々にあきらめる。
「広報をやります」と言ってしまう。あのねー。広報って書記と高齢者対策をかねるのよ!
昨夜3時に寝たせいか頭がふわふわしちゃってる。
前任者の関口さんはパソコンの先生だそうで、どうりでよくできた広報だったと思う。
むりにも教えていただいてですよ、わかりやすくて愉快な?広報を私だって作ろう。
緊張することも努力することも、いいに決まっているんだから、
ぐちゃぐちゃ言わずにセッセと新聞をつくりたい。