2011年11月16日水曜日

外人用プチトマト


遥がリックとオランダから到着。
霧のため飛行機が飛ばずドイツの飛行場で六時間待たされたという話。
午後九時に着いたのでもうお腹はいっぱい。
ふたりとも元気で、にこにこしている。

そして朝がきた。今朝である。
娘によると、リックの朝食は冷たいままのほうがいい。
外人って、そうなのかー。
温めちゃいけないの? ときいたら、まあかまわないんだけど、と言う。
かまわなくても、冷たいほうがいいんだとして、冷たいものはあるから。
パン、胡瓜、ハム、そして昨夜三人で会話した時のプチトマト。

会話は、オランダ語と英語と日本語で行われる。
リックがいい人だから、これは愉しい。娘が通訳するのでラクチンだ。
さて、パンは長男の店のカンパ-ニュ。胡瓜とかボンレスハムはそのまんま。
そして冷やしたプチトマトである。友達が入院中の友人に携帯でききだして、
レシピを置いていってくれた、私にもできるはずの未知の食品。
オレンジジュース、ワイン、塩、ハーブなんでも、のミックスジュースをつくる、
そのなかにプチトマトを入れ一日以上まえから冷蔵庫で冷やす。
それだけの手間でよくて、すばらしくおいしいという評判の一品。

どういうことか、昨夜ビールをのんだ時は、
まだ、まったく、味がただのプチトマトと変わらなかった。
でも、一晩たった今朝はどうか。
「外人用のプチトマトなのよと、私が強調しているって話して」
遥はオランダ語でリックに説明し、自分もプチトマトを食べリックにも食べさせ、
「お母さん、あのさあ、これさあ、ふつうのプチトマトとおんなじ味じゃない?」
リックは、そうは言わなかった。
ヨーロッパ調で、礼儀正しく椅子にゆったり、しかもまっすぐに腰かけ、
「いや、ぼくにはハーブのかおりもワインもよくわかって、やはりおいしいです。」
と言っているわよ・・・と遥が言うから、
「あなたはとても親切な人なのね、感心したと私が言ってると伝えてちょうだい」

リックは、腕組みをして、わっはははとしばらく笑った。そして、
「ぼくはゲストなので失言したくないのです、まあ、よい人でいようとしています」
そう言ってると遥が言うので、私たちはみんな、プチトマトの前でふきだした。

そういうわけで旨みはこれからだろうに、プチトマトを全部食べてしまいました。