2015年9月24日木曜日

シュールなマヌケ旅行


小田原までロマンスカーでいく。小田原から新幹線で浜松へ。
浜松から高槻へ行ったのは、「さわやか」というチェーン店に行くためだ。
「さわやか」はいつも行列。一時間ぐらい待たされる。
駅から道をまちがえて、いつまでたっても着かない。てくてくてくてく。
けっきょくタクシーに連れて行ってもらった。

高槻から弁天島へ。駅前のホテル「The ОCEAN」へ。
3時にチェックイン。ベッドが大きくて楽ちんである。
しばらく本を読んでから、舞阪町の脇本陣へ。
行ってみたら終わっていた。
健も私もホテルに帰って本を読む。大浴場が結構いいけど、
弁天島は突然行ったりすると、もうなんにもないところである。
なんでこんな味気ない場所になってしまったのだろう。
クロサワの「用心棒」の宿場みたいな風情。
おっとそういえば、本陣と脇本陣のあった舞阪町あたりは、
かつて参勤交代の際の宿場町として栄え、ついに衰退・・・。

高速道路の大橋がみごとなアーチを描いているけれど所詮人工の産物、
浜名湖の向こう側にある海がおかげで見えないのである。

つぎの朝、また歩いて舞阪町の町営歴史建造物「脇本陣」を見学に。
しかたがない、ここはうちのご先祖さまの家業の跡なのである。
だれもしらないことなので、子どもの誰かに見せておかないと無縁になってしまう。
朝がきて、食事をすませ、また海辺を歩いて・・・。
ところが今日は休館日だという。やってない。

浜辺を歩きながら、もううちに帰ろうということになった。
ばかばかしいから浜松について、鰻(うなぎ)を食べましょうということになった。
なにひとつうまくいかなかったから、鰻ぐらい食べて帰らなければ華がないのだ。
いちばん高い鰻重を頼んだから、健は一生の思い出にすると私は思う。ははは。
それから新幹線に乗って、小田原から急行に乗って。

これはこれでいい旅だったんじゃないの? 楽しかったと思うから不思議である。
健は二冊小説をよんでしまい、三冊目にとりかかった。
私は、ローズマリ・サトクリフの「銀の枝」をまた最初から読んだ。
面白い少年小説なんだけど、名前がごちゃごちゃ、一回だと事情がのみこめないから、
二回読むと今度こそ本当におもしろいのである。
楽しくなかった、という考え方は、親子でしない。よかったことしかとにかく認めない。
わずかに健が、かあさん、今度の旅はシュールだったよねー、と言った。

そー言えばそうよねえ。
これをシュールと言わずしてなんとする?