2015年9月4日金曜日

うり二つの新聞投稿


鶴三会のお仲間に中村さんがいる。
老人万華鏡のような、不思議なお方である。
筒につけられた丸い小さなガラスごしにからくりの奥をのぞけば、、
色とりどりのキレイな破片が楽しく動いて、そこに見果てぬ夢がといった具合。
折り紙のキリッとしたカラーのような、中村さんの破片。
それはミャンマーにユメを賭ける老いたる中村さんの気概であったり、
民主主義というものについての実行をともなう考察であったり、水を造り出す特許であったり、
昔とった杵柄の「高砂」を謡える力量であったり。
このお方は、どういう紆余曲折のすえ、こういうお人柄になられたのであろうかと、
それで中村さんの俳句を拝見しなおし、あらためて立派だと思ったりする私である。

手術をして、心臓にペースメーカーを入れたとおっしゃるから、
ミャンマーにも、ふたたび行く日が来るはずと、私は中村さんのユメに便乗している。
いつか、いつかとわくわくすることは愉しい。

今朝の朝刊を読んだら、鶴三句会の帰り道、中村さんが私におっしゃったことが、
まるで「聞き書き」したみたいな具合に、投稿欄に掲載されていた。
39歳の板沢理恵さん・藤沢市の自営業従業員。以下は彼女の文章である。
 
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 今この国は戦争のできる国になろうとしている。しかし、戦場に行きたい人は一人もいない。
 一方、日本は地震・火山の大国で、地震や噴火の研究が世界で最もすすんでいるのではな
 いか。・宗教国家でない・という世界でもまれにみる特性も日本は持っている。
 そこで自衛隊を国際救助隊に組織替えし、天災に限って、どこの国へでも飛んでいき、救助
 活動を行うようにしたらどうだろうか。軍事予算を考えれば、救助や天災の研究費を大幅に
 増やすことができるはずだ。
 結果的に丸腰になるわけだが、自らの国に駆けつけて救助してくれる国を攻撃するだろうか。
 ぜひ国民投票で全国民に問うてほしい。

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見識のある起承転結、文章のまとまり具合、それに簡潔さも好ましい。
耳からはいってきたお話が、見知らぬ女性の文章になって立ち上がっていることがまた、
私としてはすごくうれしいことである。賢い人が多いほうが安心だもの。