2020年7月5日日曜日

投票


投票券(多摩市役所)が見つからない。
これは失くしちゃいけないと、1番目につくところに置いたのに、
その場所がどこだかわからない。
市役所の窓口できくと、身分証明書があれば投票所ですぐ手続きができるという。

あー、もうやんなっちゃう!

7時開始だと言うので、7時に家を出て、歩きだした。
並木の緑と雨で湿った街路が薄荷みたいな香りをはなって、静かな朝だ。
歩きだしたら足がツルかもしれないというかんじ、
隣を歩いている息子に知られたくなくて、用心深くなった。
足の付け根をぎゅーっと掴んで、
「朝のみどりってきれいだね 」というのに
「うん、ほんとうにそうね」と私はいう。

投票は未来を作る行為だ。

このあいだ、長男が私に言ったっけ。
誕生日のプレゼントを買いに行ったけど、いいのが無くてさ。
考えたけど、ぼくと母さんと2人で 、3回いっしょに映画を観ようって。
そうすれば会えるし話もできるし、いいよね。
「ねえ、あれって・・・」
もしかしたら私がもうじき死んじゃうとあの人、おもったのかな。
帰りのクルマのなかで、息子にきいたら、
うーんと、こまってあやふやな表情。
そうかあ、むりもないね。

77才にもなった老人にとって、未来を作る行為って、いったいなにか。
投票。
期待はいつも裏切られる、ここは現実の地点、おれの椅子
ぎらりとだんびらの痛みを引きぬいて・・・。
選挙って。

でもね。
生きてゐるって。まどさんの詩じゃない?

うさぎにうまれて  うれしいうさぎ  はねてもはねてもはねてもはねても
うさぎで なくなりゃしない
うさぎにうまれて  うれしいうさぎ  とんでもとんでもとんでもとんでも
くさはら なくなりゃしない

わたしたちがねがう世界ってこうよね。
選挙とはとんでもなくちがっちゃって、いてもね。