2012年8月2日木曜日

映画「死刑弁護人」


「死刑弁護人」という映画をご存知だろうか。
東中野駅前のポレポレとかいう映画館ですこし前から上映している。
(毎日、よる7時と9時、8月15日まで上映  tele03/3371/0088 )
私はきのうひとりで、もう一度なんだけど、見に行った。

安田好弘弁護士の活動と生活を追うドキュメンタリー。
制作/東海テレビ。監督/斉藤潤一。

私がこの映画を二度見たわけは単純である。
安田さんの、実に気持ちのいい容貌や姿、
どんな時も変わらず落ち着いて返答しかえす姿を、
もう一度見たいから。
安田弁護士のような人といっしょに、同じ時代を生きられてうれしい。
今を生きる理想、それが安田さんだと思うから。

裁判官の前でも、彼を鬼畜とまでののしる群衆の前でも、
その場かぎりの正義感をふりかざす巨大マスコミの口撃にあっても、
どんな時も、安田さんはおなじだ。
弁護士という職業の、倫理と論理をかけて戦うその姿に、なんの動揺も無い。
映画を見ているとそれがしみじみよくわかる。
なんてたいした人なんだろう!

弁護を引き受けた被告人が処刑された時、
あるいは首をつって自殺した時、
命と、遅ればせながら詫びようとしていた不運な日本人の思いを、
自分の不注意な戦い方のせいで助けられなかったと、
そういう・・・悔恨と反省を、彼はおどろくほど隠さない。
そこになんの壁もない。
「死刑弁護人」とは、時には政治のからむ複雑な仕事だが、
安田さんは怯むことなく引き受け法廷で戦う。
自分のためじゃない、被告のために。

検察の謀略で安田弁護士が起訴され収監されたとき、
安田さんには1400人の弁護士がついた。

映画「死刑弁護人」で語られる事件の数が多いので、
最初、私は茫然としてしまい、ドキュメンタリーとしての価値もなにもよくわからず、
ただもう安田好弘弁護士の姿に魅せられるだけだったのだが、
二度みたら、やっとよくできた映画だったと落ち着いた。

第66回文化庁芸術祭テレビ・ドキュメンタリー部門優秀賞受賞。

ナレーションが山本太郎さんだったのも、うれしい。
がんばれ、山本太郎!