2012年8月23日木曜日

やっとこさ金曜日のデモへ


金曜日、地下鉄丸の内線「国会議事堂前」で降りたら、心配もなく現地に行けた。
なぜなら、出口が4番とかぎられ、警官が案内というとおかしいけど、行く先を決めて
くれる。くれるというとおかしいけど、抗議行動の方はこちら、という。
私は一人で出かけたけれど、たちまち安心した。
4番出口から地上に出ると、もうそこから首相官邸に向けてびっしり、
「原発再稼動反対」の行列が始まっているのだ。
行列は個人でできあがっている。それでやっぱり元気になる。

黒い洒落た帽子の女の人が、私は金曜日になるとここに来る、と言い、
だいたいどうしたらよいのかを教えてくれた。この人もいつも一人で来るのである。
彼女のそばにいるのがよさそうだと、私もぐいぐい前に進まず同じところに立ち続ける。
前も後ろもビッシリ人だらけ。まあ、なんにも見えない。イチョウの木と道路と警官しか。
集会は6時にはじまって8時まで続くそう。
私は5時についたから、そうすると3時間ここに立っているのかしら。
この先が首相官邸、あっちが国会議事堂、議事堂ヨコには子連れ用テントもあるらしい。
テントの中だとピンとこない、と若いパパがあかちゃんをだっこして、そこに立っている。

「ここはなにかの政党とか組合が集まっているんですか?」
こんどは私がきかれた。
ちがいますと言うと、ああ、それじゃよかったとその初老の夫婦も隣りに立った。
千葉県から、彼らはとうとうついにやって来たのだ。成田の向こうから。
やっと来れましたっ。ふたりでにこにこしている。
・・・広い広い車道が前にある。
マイカーが思い思いのステッカーや飾りをつけて、通る。
タクシーの運転手さんがクルマに「原発再稼動反対」の布をつけてくれたりもするそう。
自転車が走っていく。こぶしを振り上げて、ツーイツイと走りながら合図している。

6時になる。
シュプレヒコールが始まる。それが延々と、延々と続くのである。
その唱和が、びっしり歩道を埋めた人々全体の意志であり、抗議であり怒りであることが、
すごいことに思われた。二時間。雨だろうと猛暑だろうと毎週。
「原発再稼動反対」「規制委員会の人事案反対」「子どもを守れ」「フクシマを守れ」
愚直なまでに繰り返し行われる怒りの表明には、思わぬ凄みがある。
コワイものがある。
無視できなくなって、首相が抗議運動の代表たちに会ったのも、当然かもしれない。
そういう気がした。